eBayはどんな場所?まずは規模感から
eBayは1995年にアメリカ・カリフォルニア州サンノゼで創業された、世界最大級のオンライン・マーケットプレイスです。世界190以上の市場で利用されており、2025年で創業30周年を迎えました。
日本国内ではAmazonや楽天ほど知名度は高くありませんが、海外ではAmazonと並ぶ巨大ECサイトとして広く認知されており、特に「中古品」「コレクター商品」「希少品」の取引に強いのが特徴です。
- アクティブバイヤー:約1.35億人(2025年末時点)
- 市場(国・地域):190超
- 出品商品数:約23億点
- 年間流通総額:約796億ドル(2025年実績)
- 米国外比率:約49%(流通総額の約半分が米国外で創出)
なぜ日本人セラーにチャンスがあるのか
日本商品が海外で評価される理由は、大きく4つあります。
① 品質の高さ:日本製品は世界的に「丁寧な作りで長持ちする」と評価されており、Made in Japanブランドとして強い信頼を獲得しています。
② 中古品の状態が圧倒的に良い:海外と比べて日本の中古品はコンディションが良いものが多く、海外では「Used in Japan」という言葉が定着しつつあります。
③ レア商品が豊富:日本限定モデル、アニメ・ゲーム関連、フィルムカメラ、ヴィンテージ楽器など、世界中のコレクターが求める希少品が日本に集中しています。
④ 梱包・発送が丁寧:日本セラーは梱包の質が高く、トラブルが少ないため、海外バイヤーから信頼されやすいんです。
日本セラーの売れ筋カテゴリー
イーベイ・ジャパンが発表した2025年の越境ECレポートでは、日本セラーの売れ筋TOP3は、第1四半期・第2四半期のどちらでも同じ顔ぶれ・同じ順位でした。
- レディースアパレル&バッグ/ブランド小物(エルメス・ルイヴィトン・シャネル等の高級ブランドバッグ)
- 時計・パーツ&アクセサリー(ロレックス、オメガ、カルティエ等の中古高級時計)
- トレーディングカード(ポケモンカード、スポーツカード〔PSA鑑定済み〕)
定番カテゴリーとしては、デジタルカメラ・自動車パーツ・メンズファッションも安定的に売れています。トレーディングカードは2026年に30周年を迎えるポケモンカードの影響で、急成長カテゴリーとなっています。
- 米国eBay全体の中古品比率:約50%
- 日本セラーの中古品比率:約65%
- 日本では中古品エコシステムが成熟しており、保管状態の良い高品質な中古品が豊富
2025年〜2026年の制度変化:知らないと損する話
eBay輸出を取り巻く環境は、2025年以降大きく変化しています。これから始める方が押さえておきたい4つの動きを整理します。
① 米国デミニミス制度の撤廃(2025年8月29日)
800ドル以下の関税免除が撤廃されました。これ以降、米国向けの荷物は金額にかかわらず関税の対象になっています。
② 米国向けDDP発送の必須化(2025年10月17日)
日本から米国に送る2,500ドル(送料を除く)未満の商品では、関税をあらかじめセラーが払って発送するDDP(Delivered Duty Paid)が必須になりました(真贋保証の対象商品を除く)。関税を払うのがバイヤーからセラーに変わった、という点が実務上いちばん大きな変化です。適用される取引の条件と仕組みの詳細は「DDPとDDUの違い」で扱っています。
③ 日本原産の商品は「合計12.5%」に(2026年7月24日から)
2026年2月24日からは、通商法122条にもとづく一時的な上乗せ10%がかかっていました。これは法律で150日までと決まっている措置で、7月24日に期限を迎えています。同じ7月24日から、米通商代表部(USTR)は別の調査(強制労働で作られた産品の輸入禁止が不十分だとUSTRが判断した60の国・地域が対象)にもとづいて、通商法301条の関税を始めました。日本原産の商品は、通常の関税と合わせて合計12.5%になるよう調整されます。通常の関税がもともと12.5%以上の商品には上乗せがなく、中古衣料・美術品・切手・収集品・100年を超えるアンティークなど、対象外の分類もあります。対象になるかどうかは、通関で申告する分類番号(HTSUS)で決まります。自分の商品がどちら側かの調べ方は「【2026年7月24日開始】米国の新関税、日本原産の商品は合計12.5%へ」で扱っています。
④ 真贋保証・Refurbishedプログラムの全セラー開放(2025年3〜4月)
ハンドバッグ・腕時計・ジュエリーなどの真贋保証サービス、整備済み中古品のRefurbishedプログラムが、日本の全セラーに無料開放されました。ハイブランド商品や中古電化製品を、より高い信頼性で販売できる環境が整っています。
このほか、米国一辺倒だった販売戦略から欧州・豪州・アジアなど非米国市場への分散も進んでいます。イーベイ・ジャパンの「越境ECレポート」では、回答者の8割超が「米国以外の新しい市場への参入」を検討していると回答しています。
eBayの特徴と参入のしやすさ
eBayは、副業で始めたい方にとって、参入しやすい設計になっています。
- 誰でも出品OK:アカウントさえ作れば、個人でも副業でも出品可能(事業者登録は不要)
- 中古・ジャンクOK:新品だけでなく、中古品・一点モノにも明確な需要がある(Amazonとの大きな違い)
- 日本商品は高評価:「Made in Japan」「Used in Japan」のブランド力が活きる
- 英語が苦手でもOK:翻訳ツール・テンプレートで対応可能
- 少資金スタート可能:eBayのルールに沿った形での無在庫の運用を組み合わせれば初期費用を抑えられる。ただし、他の通販サイトから購入して直接バイヤーへ送る形は認められていません。くわしくは「eBay無在庫と有在庫はどっちで始める?【公式ルール】」で扱っています
- 越境ECに特化:流通総額の約49%が米国外で創出されるため、海外向け販売が前提の設計
一方で、誰でも始められる反面、ルール違反やトラブル対応を怠るとアカウント停止(サスペンド)のリスクもあります。最初に正しい手順とルールを身につけることが、長く安定して続けるためのコツです。
まずは全体像をつかもう
- 1995年創業、世界最大級の越境ECマーケットプレイス(アクティブバイヤー約1.35億人・190以上の市場)
- 2025年の年間流通総額は約796億ドル、その約49%が米国外で創出
- 日本商品は「高品質」「希少」「コンディション良好」と、海外のバイヤーから評価されやすい
- 日本からの販売は近年も二桁成長が続く、世界有数の成長市場
- 2025年〜2026年の制度変化(デミニミス撤廃・DDP必須化・関税の枠組み切り替え・真贋保証拡大等)を踏まえ、最新ルールを理解しておくことが重要
- 個人・副業でも始められる一方、ルールを守ることが長く続ける鍵
ここまで読んでくださってありがとうございます。eBayが「日本にいながら世界中の人に売れる場所」だということ、そして日本人セラーには大きなチャンスがあるということが、なんとなく伝わっていたら嬉しいです。
この続きでは、具体的に「eBayを始めるのに何が必要か」を、おかあさんと一緒に整理していきます。
本記事のデータ出典:eBay Inc. 2025年通期決算(2026年2月発表)・Annual Report (Form 10-K)/イーベイ・ジャパン株式会社「越境ECレポート」(2024年年間版・2025年第1四半期版・2025年第2四半期版)/JETROビジネス短信(2025年6月)/米国の関税と発送の制度:米通商代表部(USTR)通商法301条の措置の告示(Federal Register 91 FR 47318、2026年7月28日掲載。https://www.federalregister.gov/documents/2026/07/28/2026-15181/notice-of-actions-in-section-301-investigations-of-acts-policies-and-practices-of-various-economies)・大統領布告11012号(通商法122条、91 FR 9339、2026年2月25日掲載。https://www.federalregister.gov/documents/2026/02/25/2026-03824/imposing-a-temporary-import-surcharge-to-address-fundamental-international-payments-problems)・米国関税率表(HTSUS)9903.05.48/9903.05.49(https://hts.usitc.gov/)・eBay Japan「米国向け配送に関する関税変更のお知らせと今後の対応について」(https://ebay.co.jp/tariffs)・eBay Japan「DDP発送必須化について」(https://ebay.co.jp/ddp-info)/詳しい解説は「【2026年7月24日開始】米国の新関税、日本原産の商品は合計12.5%へ」「米国デミニミス廃止後の関税対応」「DDPとDDUの違い」の各記事を参照/関税・制度情報の最終確認:2026年9月29日/最終更新:2026年9月