先に結論:セールもクーポンも、追加料金なしで使える
結論から書きます。eBayストアに契約していれば、セールもクーポンも追加の料金なしで作れます。eBayがコード発行や機能そのものにお金を取ることはありません。ただし、値引いた金額はeBayが肩代わりしてくれるわけではなく、自分の売上から負担することになります。「お得な機能があるなら使わない手はない」ではなく、「いくら値引くかは自分で決める、実質的な値下げ」だという前提を先に押さえておいてください。
もう1つ、最初に区別しておきたいのがセールとクーポンは見える相手が違うという点です。セールは対象の商品を見た人・検索結果に出た人、全員に値引き後の価格が見えます。クーポンはコードを知っている、または受け取ったバイヤーにだけ働く仕組みです(公開設定にすれば、こちらもバナーで見せられます)。「不特定多数に見せて反応を上げたい」のか「特定の相手にだけ配りたい」のかで、選ぶ機能が変わります。
- eBayストア契約者なら、セールもクーポンも追加料金なしで作れる(未契約だと作成画面自体が使えない)
- 対象になるのは固定価格(Buy It Now)の出品だけ。オークション形式の出品には使えない
- 値引き分は自分の売上から負担する。eBayが負担してくれるわけではない
- セール=対象商品を見た人全員に見える値引き。クーポン=コードを知っている人にだけ届く値引き(この違いは任意の好みではなく、機能の仕組みそのものの違い)
セールとクーポンの違い:誰に見えるか、どんな場面で使うか
セール(正式にはSale Event、値引きを設定する画面の名前からMarkdown Managerとも呼ばれます。マークダウンは「値下げ」という意味の英語です)は、元の価格に取り消し線を引き、その横に割引後の価格を並べて表示する機能です。対象は個別の商品・eBayのカテゴリー・自分のストア内カテゴリー・在庫全体から選べます。
クーポン(Coded Coupons)は、割引コードを自分で決めて発行する機能です。「Private(非公開)」にすれば、メールやSNSで直接渡した相手にだけコードが伝わります。「Public(公開)」にすると、対象商品の検索結果・商品ページ・チェックアウト画面・ストアのトップにバナーとして表示され、コードを知らない新規のバイヤーにも見えるようになります。
eBay coupons are free to use for sellers — there is no charge per buyer applying the discount.
(eBayのクーポンはセラーにとって無料で使える。バイヤーが割引を適用するたびに料金がかかることはない。)
「無料」なのはコードを発行する仕組みの利用料のことで、割引された金額そのものは、eBayではなく自分の売上から負担します。混同しないよう注意してください。
セール(Sale Event)の設定方法
作成画面へは、Seller Hub → Marketingタブ → Summaryの「Marketing tools」から、Sale eventのCreate sale eventを選んで進みます(画面右上のCreate promotionからも同じ画面に入れます)。同じ場所からクーポンも作成できます。
①値引きの種類と数値:Typeのドロップダウンから選びます。実際の画面では「Percentage off each item(商品ごとに一定の割合を割り引く)」が例として表示され、Valueの欄に割合(例:5%)を入力します。②期間:開始は「Start now(今すぐ)」か日時指定、終了日はデフォルトで開始日の30日後が自動で入りますが、自由に変更できます。画面には「同日に終わる別のセールがある場合は、次のセールを始めるまで2時間以上空けることを推奨する」という注記もあります。③対象の在庫:Manual(個別の商品を自分で選ぶ、最大2,000点まで)か、Rule-based(価格帯・商品の状態などの条件を設定すると、条件に合う出品が自動で追加され続ける)のどちらかを選びます。④名前(Offer name):自分の管理用の名前です。ここはバイヤーには表示されません(画面にも「Buyers can't see this title, but it helps track your discounts.」と明記されています)。空欄のままだと「Sale event ending 終了日」のような名前が自動で入ります。
- 画面の注記どおり、設定してから実際の商品ページに反映されるまで最大12時間かかることがある。直前に慌てて設定しても間に合わないことがある
- 「Include skipped items when they qualify」:条件に合わずスキップされた商品も、後から条件を満たせば自動でセールに追加する設定
- 「Keep items in this sale and block revisions for price increases」:セール期間中、対象商品の価格を上げる編集をブロックする設定。値上げしてから割り引く見せかけの値引きを防ぐ仕組みと考えられる
- 公式の解説は、セールをストア全体ではなく、特定のカテゴリー・ブランド・テーマでまとまった商品群に絞って使うことを勧めている(ストア丸ごとの値下げは「常に安売りしている店」という印象につながりやすいため)
クーポン(Coded Coupons)の設定方法
作成画面へは、セールと同じSeller Hub → Marketingタブ → Summaryから、CouponのCreate couponを選んで進みます。設定する項目は次のとおりです。
①公開範囲(Coupon visibility):PublicかPrivateかを選びます。②割引の種類:Typeのドロップダウンから選びます。実際の画面では「Extra % off(例:Extra 20% off)」が例として表示され、Discountの欄に割合(例:20%)を入力します。公式の解説では、これ以外に金額指定(例:「50ドル以上の購入で10ドル引き」)や、複数点セット割引(例:「1点購入でもう1点が半額」。英語ではBuy One Get Oneの頭文字でBOGOと呼ばれることもあります)の型も用意されているとされています(ドロップダウンの全項目は今回未確認)。③期間:セールと同じくStart date・End date・Start time・End timeを設定します。④コード:Coupon codeの欄に自分でコードを決めて入力します(最大15文字・全セラーの中で重複できません)。画面には「Suggested coupon codes」として候補のコードがいくつか自動で提案され、気に入らなければ更新ボタンで別の候補に切り替えられます。
クーポンもセールと同じくManual(個別に選ぶ)とRule-based(条件で自動的に追加する)から選びます。実際の画面では、Rule-basedで「Selected rule: All inventory」を選び、Price range(価格帯)・Item condition(商品の状態)で絞り込めることが確認できました。クーポンのRule-basedは最大20,000点まで対象にできるため、セールのManual(最大2,000点)よりも広い範囲に一括で適用できます。
この下には「Details and coupon limits」という詳細設定の折りたたみ欄があり、最低購入金額や1人あたりの利用回数の上限などを設定できると案内されています(今回は未展開のため、項目名までは確認できていません。詳しい条件は実際に開いて確認してください)。
どちらを使うか:3つの場面で選ぶ
ここまでのストア契約・固定価格出品・値引き分は自己負担という3点は、使う前提として必ず押さえておく必要があります。一方、ここから先の「どちらを選ぶか」は、正解が1つに決まっているわけではない、状況に応じた目安です。
動きの遅い在庫を早く売りたい、検索結果で値下げを目立たせたいならセール。一度買ってくれた人にもう一度買ってほしい、SNSのフォロワーに告知したいならクーポン。同じ商品をまとめて複数買ってもらいたいなら、前回の記事で扱ったVolume pricing(数量割引)という、セール・クーポンとは別の機能が向いています。3つとも併用できるので、状況が複数当てはまるなら組み合わせてかまいません。
コピペ用:クーポン告知の英文テンプレート
クーポンをPublicで作成するときの説明文と、SNSで告知するときの文例です。コード・割引率・最低購入金額・期限の部分を自分の設定に置き換えて使ってください。
Use code [CODE] for [XX]% off your order of $[XX] or more! Valid through [End Date]. Thanks for shopping with [Shop Name]!
日本語訳:コード「[コード]」を使うと、[金額]ドル以上のご注文が[割引率]%オフになります。有効期限は[終了日]まで。[ショップ名]でのお買い物、ありがとうございます!
セール・クーポンを設定する前のチェックリスト
まとめ:値引きは「書き換える」ものから「設定する」ものに変わった
セールとクーポンは、どちらもeBayストア契約者が追加料金なしで使える値引きの見せ方です。セールは対象商品を見た人全員に、クーポンはコードを知っている人だけに届きます。値引き分は自分の売上から負担するという前提を忘れずに、動きの遅い在庫にはセールを、リピーターやSNSのフォロワーにはクーポンを、と場面で使い分ければ、価格を都度手で書き換えるより手間も少なく、バイヤーへの見え方もはっきりします。