— 2026年8月、岐阜の仕事場、バイヤーからの購入前メッセージを見ながら —
おかあさんおとうさん、バイヤーさんから「オークションで3点落札したんだけど、まだ支払いはしていない。それぞれ別々に支払うと送料が3回かかってしまうから、まとめてもらえないか」ってメッセージが来ているの。これ、なにか設定を忘れているということ?
おかあさん
おとうさん
おとうさんありがちな話だね。eBayで送料をまとめる仕組みは1つじゃなくて、「同梱発送(Combined Shipping)」「請求書での送料修正」「まとめ買い割引(Discounts Manager)」という中身の違う3つがある。どれか1つだけ設定していても、残りを知らないと今回みたいに取りこぼす。今日はこの3つを整理しよう。

先に結論:送料を下げる方法は3つあり、対象が違う

— 3つは別の機能。名前が近いだけで中身は違う

結論から書きます。バイヤーが複数の商品を買ったときに送料をまとめる・下げる方法には、同梱発送(Combined Shipping)・請求書での送料修正(Send invoice)・まとめ買い割引(Discounts Manager)の3つがあります。この3つは対象になるセラーも、対象になる出品形式も、使えるタイミングもそれぞれ違います。

同梱発送は全セラーが無料で使える基本設定で、バイヤーが支払う前に複数点をカートに入れて1回のチェックアウトで支払う場合に自動で働きます。請求書での送料修正は、購入の確定と支払いが同時に起きない取引(オークションの落札・オファーの成立が中心)で、支払い待ちの注文に限って手作業で送料をまとめ直す手段です。固定価格(Buy It Now)は通常その場でチェックアウトまで進んで支払いが完了するため、この機能の出番はもともと多くありません。まとめ買い割引eBayストア契約者だけが使える常設の自動割引機能で、固定価格+Buy It Now形式の出品にしか使えません。

— Answer
この記事の結論
  • 同梱発送(Combined Shipping):全セラーが無料で使える。Shipping preferencesでルールを設定し、支払い前の複数点注文に自動適用される
  • 請求書での送料修正(Send invoice):支払い待ちの注文限定。主にオークションの落札・オファー成立が対象で、即決購入は通常その場で支払いが完了するため出番は少ない。出品終了から30日を過ぎると使えない
  • まとめ買い割引(Discounts Manager)eBayストア契約者だけが使える。対象は固定価格+Buy It Now形式のみで、オークション形式は対象外
  • すでに支払いが別々に終わった注文は、あとから同梱発送を適用することはできない(注文自体が別々に確定しているため)
  • まず同梱発送を有効にするのが土台。ストア契約があるなら、その上にまとめ買い割引を重ねる
送料を下げる3つの方法の比較図。1つ目は同梱発送(Combined Shipping)で、全セラーが無料で使えるShipping preferencesの設定。買い手が支払う前に複数点をまとめて注文した場合に自動適用され、支払いが別々に終わった注文には後から適用できない。2つ目は請求書で送料をまとめる方法(Send invoice)で、主にオークション落札・オファー成立の支払い待ちが対象。即決購入は通常その場で支払いが完了するため対象になりにくい。出品終了から30日を過ぎると使えない。3つ目はまとめ買い割引(Discounts Manager)で、eBayストア契約者だけが使える常設の自動割引。対象は固定価格+Buy It Now形式の出品のみでオークションは対象外。Order discount、Shipping discount、Volume pricingの3種類があり、Seller HubのMarketingタブから作成する
図:3つは別の機能。対象になるセラー・出品形式・タイミングがそれぞれ違う

同梱発送(Combined Shipping):全セラーが無料で使える基本設定

— 設定する場所と、2種類のルール

同梱発送は、Shipping preferences(配送設定)の「Combined payments and shipping」を編集して有効にします。「Allow buyers to send one combined payment for all items purchased」にチェックを入れ、支払いを待つ期間を選んで保存すると、バイヤーが期間内に複数点をカートに入れて支払う場合に、まとめ送料が自動で計算されるようになります。

まとめ方には2種類のルールがあります。Flat Shipping Ruleは、全バイヤーに同じ計算方法を適用するルールで、追加の1点ごとに送料を「加算」するか「減額」するかを選び、金額を入力します。Promotional Shipping Ruleは、「〇点以上購入で送料を〇〇までにする」といった条件つきのルールで、Flat Shipping RuleやCalculated Shippingより優先して適用されます。どちらもShipping preferencesの同じ画面から、それぞれの「Edit」を選んで設定します。

— 実際の画面では、2つの金額を別々に入力する

Flat Shipping Ruleの設定画面では、「Buyer pays(first item)」に1点目の送料「Each identical item」に2点目以降、同じ商品を追加でもう1点買うごとの送料を入力します。たとえば1点目を22.00ドル、追加1点ごとを11.00ドルに設定すると、同じ商品を2点購入したバイヤーの送料は「22.00+11.00=33.00ドル」に自動でまとまり、3点なら「22.00+11.00×2=44.00ドル」になります。追加分を1点目より安く設定しておくことが、同梱発送での実質的な値引きになります。

おかあさんこれを設定しておけば、複数買ったバイヤーさんの注文は自動で1つにまとまる、ということ?
おかあさん
おとうさん
おとうさんそこは誤解しやすいところなんだ。まとまるのは送料の計算だけで、売れた後の流れの記事で書いたとおり、バイヤーが別々に支払ってしまえば、それぞれ独立した注文として扱われる。同梱発送のルールが働くのは、あくまでバイヤーが支払う前、カートに複数点を入れている段階までなんだよ。だから設定していても、支払いのタイミング次第では今回みたいに別々の送料のまま確定してしまうことがある。

請求書で送料をまとめる方法:主にオークション落札・オファー成立が対象

— 「購入の確定」と「支払い」が同時に起きない取引のための手段

Send invoiceが必要になるのは、購入が確定した時点では、まだ支払いが済んでいない取引です。代表的なのはオークションの落札オファー(Best Offer)の成立で、どちらも「バイヤーが買うことは決まったが、支払いはこの後」という段階を経ます。バイヤーが同じセラーから複数の落札・オファー成立を抱えている場合、Seller HubのOrdersから「Send invoice」を選び、次の画面でそのバイヤーの購入商品一覧から対象を選んで送料を編集し、送信すれば、支払い前にまとめて請求できます。

一方、固定価格(Buy It Now)の購入は、通常はボタンを押した流れでそのままチェックアウトに進み、支払いまで一度に完了します。つまり「購入は決まったが支払いはまだ」という間が基本的に生まれないため、即決購入ではこの機能の出番はもともと多くありません。例外は、バイヤーがカートに入れたまま支払いを完了させずに離脱した場合などで、この場合も「Awaiting payment(支払い待ち)」の注文としてSend invoiceの対象になり得ます。

ここには期限もあります。出品が終了してから30日を過ぎると、その出品分の請求書は送れなくなります。また、この機能はあくまで支払い待ちの注文が対象で、すでに支払いが完了した注文の送料をこの方法で後から下げることはできません(支払い済みの注文の送料を訂正したい場合は、Seller Hubの「Send refund」による部分返金で対応します)。

おかあさんわたしがeBayをやっていた頃は、こういう機能を使った記憶がないの。複数買ってくれたバイヤーさんから直接メッセージが来て、送料をどうするか、その都度メッセージのやり取りで決めていた。
おかあさん
おとうさん
おとうさん今もメッセージのやり取り自体は無くならないけど、金額を確定させる部分がSend invoiceという機能に置き換わっているんだ。口約束で終わらせず、画面上の請求書として金額を残せるから、あとから金額の食い違いにもなりにくい。ただし期限があるという点は覚えておく必要があるんだよ。

まとめ買い割引(Discounts Manager):ストア契約者向けの3種類

— ここから先は、eBayストア契約者だけの話

eBayストアを契約していると、Discounts Managerというツールが使えるようになります。Seller HubのMarketingタブから作成でき、中身は次の3種類です。

Order discount(注文割引)は、購入金額や購入点数に応じた割引です。Shipping discount(送料割引)は、期間限定の送料無料や、条件つきの送料無料を設定できます。Volume pricing(数量割引)は、同じ商品を複数個買うほど単価が下がる段階的な割引で、対象の在庫を選んで価格帯を決めます。

— 注意
Discounts Managerには出品形式の条件がある
  • 対象になるのは固定価格(Fixed price)+Buy It Now形式の出品だけ
  • オークション形式の出品には適用できない
  • eBayストアを契約していないセラーは、そもそも作成画面自体が使えない
おかあさんということは、ストア契約さえしていれば、いま出している商品ぜんぶにこの割引を使えるようになる、ということ?
おかあさん
おとうさん
おとうさんそこは違うんだ。ストア契約は入り口の条件であって、それだけでは足りない。出品の形式が固定価格+Buy It Nowになっているかどうかが、もう1つの条件として別にある。オークション形式のまま出している商品は、ストアを契約していてもDiscounts Managerの対象からは外れるんだよ。

どれから設定するか:3段階で決める

— 迷ったら、この順番で確認する

3つとも使える状況なら併用してかまいませんが、初めて整える場合は次の順番で確認すると迷いません。①まだ同梱発送を設定していないなら、まずそこから(全セラー対象・無料)。②オークションの落札やオファー成立で、支払い待ちの複数注文が残っているなら、Send invoiceでまとめる(出品終了から30日以内。即決購入は通常対象外)。③eBayストアを契約していて、常設の割引を作りたいなら、Discounts Manager(固定価格出品のみ)。

何から設定するかを3段階で示した図解。1段目、まだ同梱発送(Combined Shipping)を設定していないかを確認し、はいの場合は先にShipping preferencesで有効にする。全セラー対象。2段目、オークション落札・オファー成立で支払い待ちの注文があるかを確認し、はいの場合はSend invoiceでまとめる。即決購入は通常対象外で、出品終了から30日以内が条件。3段目、eBayストアに契約していて常設の割引を作りたいかを確認し、はいの場合はDiscounts Managerで自動割引を作る。固定価格出品のみが対象。3つは併用できるので、まず1段目を有効にしてから2段目・3段目を検討する
図:まず同梱発送を有効にしてから、残り2つを状況に応じて検討する

設定する場所のまとめ

— 3つとも、設定画面の場所が違う

最後に、それぞれの設定画面がどこにあるかをまとめます。同梱発送は、My eBayのAccount settings → Shipping preferencesの中にある「Combined payments and shipping」から編集します。請求書での送料修正は、Seller Hub → Ordersから対象の注文を選び、「Send invoice」を使います。まとめ買い割引は、Seller Hub → Marketing → Discountsから新しい割引を作成します。Business Policiesの記事で作ったShipping Policyとは別の画面なので、混同しないようにしてください。

送料を節約する設定チェックリスト
  • Shipping preferencesで同梱発送(Combined Shipping)を有効にしているか
  • Flat Shipping RuleかPromotional Shipping Ruleのどちらか、自分の商品に合う方を選んだか
  • オークションの落札・オファー成立で、支払い待ちのまま送料がまとまっていない注文は無いか(出品終了から30日以内ならSend invoiceで修正できる。即決購入は通常その場で支払いが完了するため対象外)
  • eBayストアを契約している場合、固定価格+Buy It Now形式の出品でDiscounts Managerを使えているか
  • すでに支払いが別々に確定した注文は、まとめ直せないという前提で発送通知を出しているか(売れた後の流れの記事参照)

まとめ:まず同梱発送を有効にしてから、残り2つを検討する

— 名前が近い機能ほど、範囲を確認してから使う

送料をまとめる・下げる機能は3つあり、どれも「送料を安くする」という見た目は同じでも、対象になるセラーと出品形式、使えるタイミングはそれぞれ独立しています。まず同梱発送を土台として有効にし、オークションの落札やオファー成立で支払い待ちの注文が残っていればSend invoiceを使い、ストア契約があればDiscounts Managerを重ねる。この順番で考えれば、今日のバイヤーからのメッセージのような取りこぼしは防げます。

おかあさん3つとも別の設定だと分かっていれば、今回みたいに慌てなくて済みそう。
おかあさん
おとうさん
おとうさん今回はSend invoiceでその場をまとめて、あとで同梱発送のルールも設定しておこう。同じ問い合わせを繰り返さずに済むようになるよ。
おかあさん — おかあさんのひとこと 複数買ってくれるバイヤーさんは、それだけ気に入ってくれているということだと思います。送料のことで気持ちよく買い物を終えてもらえるように、設定は先に済ませておきたいと、今回のやり取りで改めて感じました。