先に結論:売れる月・売れない月は暦で決まる。感覚で早合点しない
結論から書きます。eBayの売上には、自分の出品や運用とは関係なく、暦だけで生まれる山と谷があります。アメリカの消費行動には、日本のカレンダーには無い・薄いイベントがいくつも含まれていて、それを知らないまま数字を見ると「急に売れなくなった」と早合点しがちです。
この記事は「急に売れなくなった時」の記事で書いた「市場側の要因(季節・競合・制度変更)は、自分の失敗ではない」という部分を、年間カレンダーとして具体化したものです。山がいつ来るかを先に知っていれば、谷を見ても慌てずに済みます。
もう1つ大事なのは、山は待っているだけでは取れないということです。「eBayで売れるもの」の記事で挙げた定番ジャンルも、季節と掛け合わせて仕込みの時期を前倒ししてはじめて、山の売上を実際に取れます。
- 1年は大きく4つに分かれる。1〜3月(中くらいの山)・4〜6月(贈り物の山が3連続)・7〜9月(谷)・10〜12月(一年最大の山)
- アメリカの確定申告還付(2〜3月)・イースター・母の日・父の日は、日本のカレンダーに無い・薄いイベントで、知らないと山に気づけない
- 公式が勧める「ピーク前1か月に仕入れる」という目安は、手元に在庫がある前提の話。輸出セラーは検索に乗って実績が付くまでの1〜2か月も見込む必要がある
- 谷の時期(7〜9月)は、売れない時期ではなく次の山の仕込みにあてる時期
- 季節の傾向は「言われている」一般論。最後はテラピークと自分の実績で確認してから動く
米国の年間需要カレンダー:日本の感覚とズレる山
eBayの主なバイヤーはアメリカを中心とした海外の消費者です。山と谷は、日本の生活実感ではなく、アメリカのカレンダーで動きます。ここが最初のつまずきどころで、日本人セラーが無意識に見落とす山がいくつもあります。
1〜3月は、お正月セールに続いてアメリカの確定申告の還付金が届き始める時期です。還付金を使った「ちょっと良いもの」への支出が増えると言われており、中くらいの山になります。4〜6月は、イースター・母の日・父の日という贈り物のイベントが3つ連続します。どれも日本の生活にはほぼ無い・薄い行事なので、存在自体を知らないと備えようがありません。7〜9月は行楽と新学期準備で消費が分散し、全体としては「鈍いと言われる」谷にあたります。そして10〜12月は、ハロウィンの助走からブラックフライデー・サイバーマンデーを経てクリスマス商戦に至る、一年でもっとも急な山です。
山から逆算する:仕込みは「1か月前」よりもっと前
eBay公式のセラー向けガイドは、ピークシーズンの在庫について「ブラックフライデーのおよそ1か月前に仕入れておく」ことを勧めています。ただし、この目安は手元に在庫がある前提の国内セラーを想定した話です。
輸出セラーの場合、発送そのものはDDPで日数単位で済むので、そこはボトルネックになりません。時間がかかるのは「出品してから検索結果に乗って、実績が付くまで」の期間です。出したばかりのページはまだ見つけてもらいにくく、価格やタイトルの微調整をしながら実績を積む時間が必要になります。だから公式の「1か月前」に、この実績づくりの1〜2か月をさらに前倒しするのが実務の目安になります。
- 9月中:対象商品の仕入れ・撮影・出品を終える
- 10〜11月:検索での露出と実績づくり。価格・写真の微調整はこの期間で行う
- 11月後半〜12月:山頂。ここからは在庫切れさせずに売り切ることに集中する
▶ 動画でも:年間の山と谷、仕込みのタイミングについてお話ししています
定番ジャンルと季節の掛け合わせ:No.42の続編として
「eBayで売れるもの」の記事で挙げた定番6ジャンルは、どれも通年そこそこ動きますが、いちばん強い季節はジャンルごとに違います。年間カレンダーと掛け合わせて、仕込みの優先順位をつけてください。
たとえば釣具を扱っているなら、最大の山は年末ではなく春(4〜6月)です。年末商戦の逆算だけを鵜呑みにすると、いちばん動くはずの春の仕込みが手薄になります。「年間カレンダーの山」と「自分のジャンルの山」は必ずしも一致しないことを、先に押さえておいてください。
谷の時期にやること:仕入れとリサーチにあてる
- クリスマス商戦向けの仕入れ・撮影・出品(9月中に完了が目安)
- テラピークでの需要チェック(次の章で確認方法を扱う)
- 売れ残っている出品の見直し(写真・タイトル・価格の点検)
- ビジネスポリシー・発送設定など、仕込み以外の整備作業
感覚で決めない:テラピークと自分の実績で確認する
ここまでのカレンダーは、あくまで「言われている」一般論です。実際にどのジャンルがいつ強いかは、扱っている商品によって差があります。テラピーク(Product Research)で過去の売れた価格・件数の推移を確認すれば、自分の商品カテゴリの山がいつなのかを裏付けられます。
さらに、Trafficの数字を先月・前年同月と比べる習慣があれば、「今年は谷が例年より深い」といった自分の店舗固有のズレにも気づけます。カレンダーで大枠の当たりをつけ、テラピークと自分の実績で最終確認する。この2段構えが、季節を言い訳にも過信にもしない考え方です。
- 1〜3月・4〜6月・7〜9月・10〜12月の4区分で、自分のジャンルの山をイメージできる
- アメリカ固有の行事(確定申告還付・イースター・母の日・父の日)を把握した
- 最大の山(10〜12月)の仕込みを、9月中に終える計画を立てた
- 谷の時期を「仕込みの時期」として使う予定に組み込んだ
- テラピーク・自分のTrafficの実績で、カレンダーどおりかを確認した
まとめ:カレンダーを知っていれば、谷も怖くない
1年の売上は、1〜3月・4〜6月・7〜9月・10〜12月の4つで山と谷を繰り返します。日本のカレンダーに無い・薄いアメリカの行事が山を作っていること、そして山は前もって仕込んだ分だけ取れることを知っていれば、谷の時期も「今は仕込みの時期」と落ち着いて過ごせます。カレンダーはあくまで一般論なので、最後はテラピークと自分の実績で確認してください。