先に結論:検索窓の書き方を工夫するだけで、仕入れる前に売れる商品の目星がつく
結論から言うと、プロダクトリサーチ(Product Research、旧テラピーク)の検索窓は、商品名を1語入れて終わるだけの場所ではありません。複数の言葉を組み合わせる・いらない言葉を除外する・どちらかを含む候補もまとめて見る、という3通りの書き方に対応しています(eBay公式ヘルプ)。加えて、Product Researchとは別にソーシングインサイト(Sourcing Insights)という機能があり、こちらは「検索されているのに、出品しているセラーが少ないカテゴリ」を探す、仕入れの候補探しに特化した機能です。この記事では、この2つを使って「仕入れる前に売れる商品の目星をつける」やり方を整理します。
- プロダクトリサーチの検索窓は、複数の言葉をそのまま並べる(すべて含む)・「AND NOT」か「-」で除外する・「OR」でどちらかを含む候補も見る、の3通りの書き方に対応している(eBay公式ヘルプ)
- 検索結果はeBayのマーケットプレイス(サイト)ごとにも絞り込める。同じ商品でも、どの国のサイトでよく検索・購入されているかを比較できる
- ソーシングインサイトはプロダクトリサーチとは別の機能。「検索されているのに出品が少ないカテゴリ」を探す仕入れ向けの機能で、Basicストア以上の契約者に無料で提供されている(eBay公式)
- ソーシングインサイトで確認できる指標には、検索数・検索数と出品数のバランス・市場シェア・初めて売れるまでの日数などがある
- どちらの機能も、答えを出す場所ではなく仕入れる前に仮説を確かめる場所として使う
なぜ商品名を検索窓に入力するだけでは足りないのか
eBayのSEO対策の記事では、「タイトルは検索の言葉と一致させる」という話をしました。あれはもう決めた商品に、どんな言葉を含めるかという、出品したあとの話です。今日の内容はその一歩前、まだ決めていない商品を、どんな言葉で探すかという仕入れ側の話になります。考え方は同じで、買い手が実際に検索で使っている言葉と、こちらが用意する商品を一致させるほど、見つけてもらいやすくなります。
商品名を1語だけ検索窓に入れると、関係の薄い商品まで大量に混ざり込みます。たとえば「iPhone」とだけ検索すると、本体・ケース・充電器・修理部品まで一緒に表示され、価格や売れ行きの数字が実態とかけ離れたものになります。基本編の記事で説明した「売れた数・平均価格・Sell-through rate・セラー数」という4つの数字も、検索の絞り込みが甘いと、そもそも見ている対象がずれてしまいます。
検索語の絞り込み方:複数の言葉・「AND NOT」「-」・「OR」
①複数の言葉を並べる。eBay公式ヘルプの例では、「iPhone XS Max 64GB」のように複数の言葉を並べて検索すると、その言葉すべてを含むタイトルだけが表示されます。単語の間に何も付けなくても、自動的に「すべて含む(AND)」の検索になります。
②「AND NOT」か「-」で除外する。言葉の前に「AND NOT」または「-(ハイフン)」を付けると、その言葉を含むタイトルを結果から外せます。公式ヘルプの例では「iPhone XS Max 64GB -cover」と検索すると、「cover」という言葉が入ったタイトル(ケースなどのアクセサリー)を除外できます。
③「OR」でどちらかを含む候補も見る。言葉の間に「OR」を挟むと、どちらか一方を含むタイトルもまとめて表示されます。公式ヘルプの例は「iPhone XS Max AND (64GB OR 256GB)」で、これで容量違いの候補をまとめて比較できます。
基本編の記事でも触れたとおり、プロダクトリサーチは英語の商品名や型番で検索する場所です。日本語で入力しても、狙った結果は出てきません。除外語句を組み立てるときも、除外したい言葉(cover・case・parts・repairなど)は英語で入力します。
どの国のeBayサイトで売れているかも、フィルターで見られる
プロダクトリサーチの絞り込みには、価格帯・出品形式・商品の状態・出品者や買い手の所在地に加えて、eBayのマーケットプレイス(サイト)という項目があります(eBay公式ヘルプ)。同じ商品でも、米国サイト(ebay.com)と英国サイト(ebay.co.uk)、ドイツサイト(ebay.de)とでは、検索されやすい言葉も売れ行きも違うことがあります。日本語で考えた単語をそのまま英訳しても、現地の買い手が実際に検索で使う言い回しと食い違うことがあるため、複数国への展開を考えている場合は、出す前にその国のサイトでの検索結果を確認しておくと安心です。
ソーシングインサイト(Sourcing Insights)とは:需要はあるのに供給が少ない場所を探す機能
Seller HubのResearchタブには、プロダクトリサーチと並んでソーシングインサイト(Sourcing Insights)という機能があります。名前が似ていますが別物で、eBay公式サイトの説明によると、「需要が高いのに供給が少ないカテゴリを見つける」「季節ごとの需要の傾向を追う」「買い手が探しているものにもとづいて在庫を見直す」ための機能です。つまり、すでに決めた商品の売れ行きを確認するプロダクトリサーチに対して、ソーシングインサイトはまだ決めていない「次に仕入れるもの」を探すための機能だといえます。
利用条件については、eBay公式サイトが「Basicストア以上の契約者に無料で提供される」と案内しています。eBayストアに入っていない場合はこの機能自体が使えないため、まずはプロダクトリサーチだけで十分です。なお、一部のセラーからは「ストア契約に加えて、直近の販売実績が一定額に達していないとカテゴリ別のデータが表示されない」という報告も見られますが、この具体的な金額はeBayの公式発表としては確認できませんでした。条件は変わる可能性があるため、自分のアカウントで実際に開けるかどうかで確認するのが確実です。
4つの指標の意味:検索数・出品数とのバランス・市場シェア・売れるまでの日数
ソーシングインサイトの数字は、eBayスタッフが公式のコミュニティチャットで説明した内容にもとづくと、主に次の4つです。①検索数(Search Volume)——買い手がその言葉で検索した回数の目安。多いほど関心が高いことを示します。②検索数と出品数のバランス(search-to-listing ratio)——検索数に対して、実際の出品がどれだけあるかの比率。検索が多いのに出品が少なければ、仕入れの隙間がある可能性を示します。
③市場シェア(Market Share)——eBayスタッフの説明では「そのカテゴリで、上位10%のセラーが占める販売の割合」を指します。この割合が高いカテゴリは、少数の強いセラーに販売が集中していることを意味し、新規で参入しても割り込みにくい可能性があります。④初めて売れるまでの日数(Avg. Days to First Sale)——出品してから最初の1個が売れるまでの平均日数。数字が小さいほど、出品してすぐに動きやすいカテゴリだといえます。
eBayスタッフは同じコミュニティチャットの中で、この数字の精度は「セラーがどれだけ商品仕様(Item Specifics)を丁寧に入力しているか」に左右されるため、常に完璧とは限らないと説明しています。数字を絶対の答えとして扱わず、仕入れの判断材料の1つとして使うのが安全です。
実際の開き方と使う手順
手順は次のとおりです。①出品用アカウントでログインし、Seller Hubの「Research」タブを開く。②「Product Research」で、複数の言葉・除外語句・マーケットプレイスのフィルタを組み合わせて検索し、狙った商品だけに絞り込む。③eBayストアに入っている場合は、「Sourcing Insights」に切り替えて、検索数と出品数のバランスや市場シェアが良いカテゴリを探す。④候補が見つかったら、もう一度Product Researchに戻り、その商品名・型番で実際の売れた数・平均価格・Sell-through rateを確認する、という順番です。基本編の記事で説明した「出てこないときの確認点(ebay.com・出品用アカウント・名前の変更・直接URL)」は、この応用編でも同じように当てはまります。
応用リサーチで確認したい5つのこと
- 商品名を英語の複数の言葉で検索し、1語検索より対象を絞り込んだ
- ケースやパーツなど関係ない商品が混ざる場合は、「AND NOT」か「-」で除外した
- 容量・色違いなどの候補は、「OR」でまとめて比較した
- 複数国への展開を考えている場合は、マーケットプレイスを切り替えてその国での検索結果を確認した
- eBayストアに入っている場合は、ソーシングインサイトで需要と供給の差も確認した
まとめ:検索窓は、仕入れる前に使う場所
プロダクトリサーチの検索窓は、商品名を1語入れて終わる場所ではなく、複数の言葉・除外語句・OR・マーケットプレイスという道具を組み合わせて、狙った商品だけに絞り込む場所です。そのうえで、eBayストアに入っているなら、ソーシングインサイトで「検索されているのに出品が少ない」カテゴリを先に探しておくと、仕入れの判断材料が1つ増えます。
どちらの機能も、売れるものの選び方で説明したジャンル選びの土台の上に乗る道具です。数字が全部の答えを出してくれるわけではありませんが、勘だけで仕入れるよりも、外れを減らす助けになります。
- プロダクトリサーチの検索窓は複数の言葉・「AND NOT」「-」・「OR」の3通りの書き方に対応している(eBay公式ヘルプ)
- 検索結果はeBayのマーケットプレイス(国別サイト)ごとにも絞り込める
- ソーシングインサイトは「検索されているのに出品が少ないカテゴリ」を探す別の機能で、Basicストア以上の契約者に無料
- 主な指標は検索数・検索数と出品数のバランス・市場シェア・初めて売れるまでの日数の4つ
- 数字は完璧ではないとeBay自身が認めているため、判断材料の1つとして使う