— 2026年7月28日の夜、岐阜の仕事場 —
おかあさんテラピークという名前は、わたしが出品をしていた頃にもよく聞いていたの。上手な人はみんな使っている、と。ただ、わたしは結局、場所を探しあてられなかったの。英語の画面のどこにあるのか分からなくて、何度か探して、諦めてしまったのを覚えている。
おかあさん
おとうさん
おとうさんその「見つからない」は、今も昔も質問がいちばん多いところなんだ。しかも今は名前が変わっていて、画面に「Terapeak」という文字がほとんど出てこないから、当時よりさらに見つけにくくなっている。今日はまず開き方と、出てこないときの確認点をはっきりさせてから、日本のセラー向けの使い方と数字の読み方まで通して話すよ。ここが分かると、仕入れの判断が「勘」から「記録」に変わるからね。

先に結論:入口はここ。見る数字は4つ

— 最短の答えを先に

結論から書きます。テラピークの入口は、eBay.com(米国サイト)のSeller Hub → 「Research」タブです。迷ったら、出品用アカウントでログインした状態で ebay.com/sh/research を直接開けば着きます。名前は「Product Research」に変わっていますが、中身がテラピークです。eBayのセラーなら誰でも、無料で使えます

開いたら、商品名や型番で検索して、フィルタを「出品者の国=Japan」「買い手の国」「期間」の3つで絞る。見る数字は「売れた数」「平均価格」「Sell-through rate」「セラー数」の4つ。これがこの記事の全体像です。

— Answer
この記事の結論
  • テラピークの現在の名前はProduct Research。入口はSeller Hub → Research(直接開くなら ebay.com/sh/research
  • 全セラーが無料。過去3年分の「実際に売れた記録」を検索できる(eBay公式)
  • 出てこないときの確認点は4つ。①ebay.co.jpではなくebay.com ②出品用アカウントでログイン ③名前がProduct Researchに変わっている ④直接URLで開く
  • フィルタはSeller location: Japan/Buyer location/期間の3つが基本
  • 読む数字は売れた数(需要)・平均価格(値付け)・Sell-through rate(売れやすさ・過去90日まで)・セラー数(競合)の4つ

テラピークとは。今の名前はProduct Research

— 「売れた記録」を数字で見る公式ツール

テラピーク(Terapeak)は、もともと独立したリサーチ会社のツールで、eBayが買収して公式ツールになりました。現在はProduct Research(プロダクトリサーチ)という名前で、Seller Hubに組み込まれています。かつては有料でしたが、今はSeller Hubを使えるセラー全員が無料で使えます。

できることを一言で言うと、「実際に売れた記録を、数字とグラフで確かめる」ことです。eBayの検索結果をSoldフィルタで絞っても売れた記録は見られますが、テラピークはその一段深くまで見られます。公式の説明では、過去3年分の販売データを対象に、販売の推移、平均販売価格、価格帯、送料の傾向、Sell-through rate(後述)、その商品を売ったセラーの数、販売形式(オークションか固定価格か)まで確認できます。

売れるものの記事で「リサーチはSoldフィルタ→テラピーク→セラーリサーチの順」と書いたとおり、テラピークはリサーチの2歩目です。Soldフィルタで「売れているらしい」と当たりをつけた商品を、ここで数字にして確かめます。

テラピークが出てこないときの確認点

— 探せない理由は、だいたいこの4つ

「テラピークが出てこない」「どこにあるのか分からない」は、昔から質問の多いところです。確認点は4つあります。

① 探す場所は、ebay.co.jpではなくebay.com。テラピークが入っているSeller Hubは、eBay.com(米国サイト)の機能です。日本語の案内サイト(ebay.co.jp)の中をいくら探しても入口はありません。

② 出品用アカウントでログインしているか。Seller Hubはセラー向けの管理画面なので、出品用のアカウントでeBay.comにログインしていることが前提です。買い物用の画面をいくら探しても出てきません。アカウントをこれから作る方はアカウント開設の記事からどうぞ。

③ 画面に「Terapeak」の文字は(ほぼ)無い。今の名前はProduct Researchです。Seller Hubの上部メニューから「Research」タブを開くと、その中にあります。「テラピーク」という表記を目印に探すと、名前が変わっているせいで永遠に見つかりません。

④ 迷ったら直接URLで開く。ログインした状態で https://www.ebay.com/sh/research をブラウザに直接入力すれば、メニューを辿らずに着きます。ブックマークしておくのがいちばん確実です。

テラピークが出てこないときの確認点4つを整理した図解。1つめ、探す場所はebay.co.jpではなくebay.com。テラピークが入っているSeller Hubは米国サイトの機能で、日本語の案内サイトの中に入口は無い。2つめ、出品用アカウントでeBay.comにログインしているか。Seller Hubはセラー向けの管理画面なので、買い物用の画面には出てこない。3つめ、名前がProduct Researchに変わっているため、画面にTerapeakの文字はほぼ無い。Seller Hub上部のResearchタブの中にある。4つめ、迷ったらログインした状態でebay.com/sh/researchを直接開く。ブックマークしておくのが確実
図:見つからない原因の大半は「場所」と「名前」。直接URLがいちばん早い
Seller Hubの実画面。上部メニューにOverview、Orders、Listings、Marketing、Advertising、Store、Performance、Payments、Research、Reportsが並び、Researchタブが赤枠で囲まれている。開いたResearch productsページの左側にはProduct researchとSourcing insightsのメニューがあり、Product researchが赤枠で囲まれている。中央に検索ボックスと期間の選択、Researchボタンが表示されている
実際の画面。上部メニュー「Research」→左の「Product research」が入口
おかあさん名前まで変わっているのね。わたしの頃は、英語の画面に気後れして場所が分からなかったけれど、今の方は「Terapeak」の文字を探して迷ってしまうわけね。……ということは、当時のわたしのように諦めてしまう前に、この4つを順に確かめれば、誰でもたどり着ける、ということになるのかな。
おかあさん
おとうさん
おとうさんたどり着けるよ。しかも今は無料だから、開いてしまえば誰でも同じ記録が見られる。おかあさんの頃に「上手な人はみんな使っている」と言われていた道具が、今は追加料金なしで全員に開かれているんだ。だからこそ、使うかどうかで差がつく。次は開いたあとの使い方だよ。

使い方:検索して、3つのフィルタで絞る

— 手順は3つだけ

手順1:検索する。検索ボックスに商品名やキーワードを入れます。英語の商品名か型番で検索するのが基本です。型番(たとえばレンズなら「EF50mm F1.8 STM」)は世界共通なので、いちばん正確に絞れます。日本語で検索しても海外の売れた記録はほぼ出てきません。

手順2:フィルタで絞る。日本のセラーが必ず使うのは3つです。Seller locations(出品者の国)を「Japan」にすると、「日本から出品して実際に売れたもの」だけに絞れます。これが仕入れ判断にいちばん近い記録です。この欄とBuyer locations(買い手の国)は、検索結果の右上にある「More filters」を開いた中にあります。期間は検索ボックスの隣で選びます。選択肢は7日から最長「Last 3 years」(過去3年)まであり、定番商品なら90日〜1年、動きの速い商品(キャラクターグッズ・流行もの)なら7〜30日に絞ると今の状態が見えます。

手順3:並べ替えて読む。結果を「売れた数」の多い順に並べ替えて、上から読んでいきます。読み方は次の章のとおりです。

テラピークで日本のセラーが使う3つのフィルタを整理した図解。1つめはSeller location、出品者の国。Japanにすると日本から出品して実際に売れた記録だけに絞れて、仕入れ判断にいちばん近い数字になる。2つめはBuyer location、買い手の国。どの国のバイヤーが買っているかを見て売り先を考えるときに使う。3つめはDate range、期間。定番商品は90日から1年、動きの速い商品は7日から30日に絞ると今の状態が見える。下部の補足として、検索は英語の商品名か型番で行い、結果は売れた数の多い順に並べ替えて上から読む
図:Seller location: Japan が、日本のセラーのテラピークの核になる設定
More filtersパネルの実画面。Buyer locationsがAll、Seller locationsがJapanに設定されており、Seller locationsの欄が赤枠で囲まれている。下部にApplyボタンがある。背景には検索結果の統計とグラフが見えている
実際の画面。「More filters」の中の Seller locations を Japan にする
期間の選択メニューの実画面。検索ボックスの隣のドロップダウンが開いていて、Last 7 days、Last 30 days、Last 90 days、Last 6 months、Last year、Last 2 years、Last 3 years、Customの選択肢が赤枠で囲まれて表示されている
実際の画面。期間は最長「Last 3 years」=過去3年分まで選べる

数字の読み方:売れた数・価格・Sell-through rate

— 4つの数字を、判断の言葉に直す

検索結果に並ぶ数字のうち、判断に使うのは4つです。

売れた数(Total sold)。その期間に実際に売れた個数です。リサーチの出発点はいつもここで、出品されている数ではなく、売れた数を見るのが基本です。出品が100件あっても、売れたのが月2個なら、その商品の需要は月2個です。

平均価格(Average sold price)と価格帯。値付けの土台になります。ここで注意がひとつ。売れた価格を見つけても、それがそのまま利益ではありません。手数料と送料と関税を引き算して、手元に残る金額まで出してから仕入れを判断します。計算の流れは手数料の記事にまとめてあります。

Sell-through rate(セルスルーレート)。出品された数に対して、どれだけ売れたかの割合です。この数字が高いほど「出せば売れやすい」商品で、低いほど「出品ばかり多くて売れていない」商品です。ひとつ制約があって、この数字が表示されるのは検索期間を過去90日以内にしたときだけです(eBay公式の仕様)。期間を1年にすると出てこないので、Sell-through rateを見たいときは期間を90日以内に設定します。

セラー数(Total sellers)。その商品を売ったセラーの数=競合の数です。売れた数が多くてもセラー数が非常に多ければ、価格競争になりやすい商品です。逆に、売れているのにセラー数が少ない商品が見つかれば、それは狙い目です。

この4つを順に見ると、「需要はあるか → いくらで売れるか → 出せば売れる商品か → 競合は何人か」という判断の流れがそのまま出来上がります。

テラピークで読む4つの数字を判断の言葉に直した図解。1つめは売れた数、Total sold。その期間に実際に売れた個数で、需要の大きさを表す。出品されている数ではなく売れた数を見るのがリサーチの基本。2つめは平均価格と価格帯、Average sold price。値付けの土台になるが、手数料・送料・関税を引き算して手元に残る金額まで出してから仕入れを判断する。3つめはSell-through rate。出品数に対して売れた割合で、出せば売れやすいかどうかが分かる。表示されるのは検索期間を過去90日以内にしたときだけ。4つめはセラー数、Total sellers。競合の数で、売れているのにセラー数が少ない商品は狙い目。4つを順に見ると、需要はあるか、いくらで売れるか、出せば売れるか、競合は何人か、という判断の流れになる
図:数字は4つだけ。順番に見れば、そのまま判断の流れになる
cameraで検索した検索結果の実画面。Soldタブが選ばれ、上部の統計の帯が赤枠で囲まれている。帯にはAvg sold price 154.61ドル、Sold price range、Avg shipping 15.72ドル、Free shipping 61パーセント、Sell-through 25.33パーセント、Total sellers 98,310が並ぶ。その下に平均販売価格の推移グラフと、商品ごとのAvg sold price・Total sold・Item salesの一覧表が表示されている
実際の画面。上の帯にSell-through・セラー数がまとまり、下の表で商品ごとの売れた数を見る
おかあさんわたしが値付けで悩んでいた頃は、他の方の「出品中の価格」を見て真似していたの。でも今日の話だと、見るべきは出ている価格ではなくて、売れた価格のほう……。出品中の価格は、まだ誰も買っていない価格だから、参考にすると高すぎたり安すぎたりする、ということになるのかな。
おかあさん
おとうさん
おとうさんそのとおりなんだ。出品中の価格は「売り手の希望」で、売れた価格は「買い手が実際に払った金額」。ぜんぜん別の数字だよ。テラピークが強いのは、この「実際に払われた金額」の記録を3年分さかのぼれるところなんだ。ただし、過去の記録は未来の保証ではないから、中古品なら状態や付属品で価格が大きく変わることも忘れずに。数字で当たりをつけて、最後は個別の売れたページを開いて確かめる。ここまでやって、リサーチはひとまわりだね。

Sourcing Insightsは別のツール(ストア契約者向け)

— 名前が似ているので混同しやすい

Seller HubのResearchタブには、もうひとつSourcing Insights(ソーシングインサイト)というツールが並んでいることがあります。これはテラピーク(Product Research)とは別のもので、カテゴリ単位で「何が検索されているのに供給が足りていないか」を見る仕入れ向けのツールです。

ただしこちらは全員向けではありません。公式の条件では、Basicストア以上の契約者向けで、カテゴリごとのデータを見るにはそのカテゴリで$500以上の販売実績が必要です。始めたばかりの段階では条件を満たさないので、「Researchタブにあるのに使えない」となっても正常です。まずはProduct Research(テラピーク)だけで十分です。

この記事の要点
  • テラピークの今の名前はProduct Research全セラー無料・過去3年分の売れた記録が見られる
  • 入口はSeller Hub → Research。迷ったらebay.com/sh/researchを直接開いてブックマーク
  • 出てこないときは①ebay.comか ②出品用アカウントでログインしているか ③名前の変更 ④直接URLの順に確認
  • 検索は英語の商品名か型番。フィルタはSeller location: Japan/Buyer location/期間の3つ
  • 読む数字は売れた数→平均価格→Sell-through rate(90日以内のみ表示)→セラー数の順
  • 売れた価格から手数料・送料・関税を引いた残りで仕入れを判断する。出品中の価格は参考にしない
  • Sourcing Insightsは別物(Basicストア以上+カテゴリ$500の実績が条件)。最初はテラピークだけでよい

テラピークはリサーチの2歩目に置く

— 前後の手順とつなげて使う

最後に、テラピークをリサーチ全体のどこに置くかです。リサーチの基本で書いたSoldフィルタで「売れているらしい」と当たりをつけ、テラピークで数字にして確かめ、最後にセラーリサーチで「同じ日本のセラーが実際に何を売っているか」を見る。この3歩がリサーチのひとまわりです。

どの歩から始めても構いませんが、テラピークだけで完結させないことが大事です。数字で確かめ、実際の売れたページで状態と写真を確かめ、自分の家にあるものや仕入れ候補に当てはめる。道具は無料で開かれています。あとは開くだけです。

おかあさんわたしがたどり着けなかった道具が、今は無料で、URLひとつで開けるのね。当時のわたしは「上手な人だけが知っている何か」があるのだと思って、少し僻んでいたのよ。実際は、場所と名前さえ分かれば誰でも見られる記録だった。それを知らないだけで諦めていたのだから、もったいないことをした。
おかあさん
おとうさん
おとうさんまとめよう。入口はSeller HubのResearchタブ、迷ったらebay.com/sh/research。名前はProduct Researchに変わっている。フィルタはJapan・買い手の国・期間の3つ。数字は売れた数・平均価格・Sell-through rate・セラー数の4つを順に読む。そして売れた価格から手数料と送料と関税を引いた残りで判断する。これだけで、仕入れの目は確実に変わるよ。今日、ブックマークひとつから始めてみてほしい。
おかあさん — おかあさんのひとこと 探しても見つからなくて諦めた道具の話を、こうしてもう一度聞くのは、少し照れくさいものですね。あのとき手が届かないと思っていたものが、場所さえ分かれば誰でも開ける入口だったなんて、当時の自分に教えてあげたら、きっと拍子抜けして笑ってしまうと思います。これから始める方は、どうか最初にブックマークをひとつ。「上手な人だけが知っている何か」の正体は、たいてい、こういう小さな入口の話なのですから。