先に結論:Impression・CTR・Page views・CVRの4つで、迷わせている場所を数字で特定する
結論から書きます。eBayの「売れない」は感覚では直せません。Seller HubのPerformance → Trafficにある4つの数字——Impressions(表示回数)・Page views(閲覧数)・Sold(販売数)と、そこから計算するCTR(クリック率)・CVR(購入率)——を見れば、迷わせている場所は必ず1つに絞り込めます。
4つの数字は、バイヤーが検索してから買うまでの道のりをそのまま映した逆三角形になっています。表示されて→クリックされて→ページを見て→買う。途中で人数が減っていくのは当然ですが、「どの段差で普段より多く減っているか」が分かれば、直す場所は自動的に決まります。
この記事は、「急に売れなくなった時」の記事で入口として使った3つの数字の、本編にあたります。あちらで「どの数字が落ちたか」まで切り分けたら、続きはこちらでCTRとCVRまで掘り下げてください。
- Traffic画面の数字はImpressions → Page views → Soldの順に減っていく逆三角形。CTR = Page views ÷ Impressions、CVR = Sold ÷ Page viewsという2つの割り算で読む
- 比べるのは絶対数ではなく先月・前年同月との比較。数日の凪や季節の波を「異常」と誤読しない
- 全体の数字がおかしければ、出品を個別に絞り込んで犯人を1品ずつ探す
- Impressionsが落ちたら露出側、CTRが低ければ一覧での見え方、CVRが低ければページの中身——数字ごとに直す場所は完全に別
- Watch数は「気になっているが、まだ買わない」人の数。CVRとセットで見ると、値段の問題か・後押しの問題かが分かる
Trafficはどこにある:Seller Hub → Performance → Traffic の見方
Traffic画面はSeller Hub → Performance → Trafficにあります。開くと、指定した期間の折れ線グラフと、下に数値の一覧が並びます。表示する期間は31日・90日など切り替えられ、「前の期間と比較する」表示も選べます。この比較表示を常にオンにしておくのが、今日のいちばん実用的なコツです。
グラフの上には、見る対象を切り替えるタブがあります。店舗全体(All listings)で大きな流れを見て、気になる動きがあれば個別の出品まで絞り込めます。この「全体→個別」の順番は、後の章でそのまま手順として使います。
4つの数字とCTR・CVRの計算式:逆三角形で読む
Impressions(表示回数)は、検索結果や関連商品欄などに、自分の出品が表示された回数です。買われたかどうかは関係なく、目に触れた回数そのものを数えます。表示の内訳は、通常の検索結果・広告経由・上位表示など複数の切り口で見られます。
Page views(閲覧数)は、表示された出品ページが実際に開かれた回数です。ここまでの割り算がCTR(クリック率)= Page views ÷ Impressionsで、「表示された中の何パーセントが、開いてもらえたか」を示します。
Sold(販売数)は、そのページから実際に購入に至った件数です。ここまでの割り算がCVR(購入率、Sales Conversion Rate)= Sold ÷ Page viewsで、「開いた中の何パーセントが、買ってくれたか」を示します。
この4つを並べると、Impressions(多い)→ Page views → Sold(少ない)という逆三角形になります。段差ごとに人数が減るのは自然なことで、問題になるのは「普段の自分の数字と比べて、どこかの段差だけ極端に開いている」ときです。だからこそ次の章の「期間で比べる」が欠かせません。
期間で比べる、出品まで掘り下げる:犯人の絞り込み方
Trafficの数字は、単月だけを見ても異常かどうか判断できません。必ず2つの比較先を用意します。①先月との比較(直近の変化を見る)、②前年同月との比較(季節の波を差し引く)です。8月や2月は日本のセラーの間で「動きが鈍いと言われる」時期なので、前年同月と比べて初めて「今年だけ異常に落ちているか」が分かります。数日だけの凪は、比較するまでもなく落ちたうちに入りません。
店舗全体の数字で違和感があれば、次は出品を個別に絞り込みます。全体のCVRが下がっていても、原因は全出品に均等に広がっているとは限りません。むしろ多いのは、特定の数品だけが極端に落ちて、平均を押し下げているパターンです。個別のTrafficを開き、Impressions・Page views・Soldそれぞれが多い出品から順に眺めていくと、数字が悪化している1〜2品にすぐ行き当たります。犯人が絞れたら、その出品の写真・タイトル・価格・説明文だけを見直せばよく、店舗全体をいじる必要はありません。
数字が落ちた場所ごとの対策翻訳:Impressions・CTR・CVR
Impressionsが落ちているなら、そもそも検索結果に出る回数が減っています。原因は露出側で、公開中の出品数の減少、検索順位の低下、季節要因のいずれかです。順位が決まる仕組みはSEO対策の記事で書いたとおりで、Item Specificsの空欄や大文字・記号の乱用は素直に順位を落とします。まずそこから確認してください。
CTRが低い(表示はあるのに開かれない)なら、検索結果の一覧で選ばれていません。バイヤーが一覧で目にするのは、1枚目の写真・タイトル・表示価格の3つだけです。同じジャンルの売れている出品と並べて、この3つが見劣りしていないかを確かめます。CTRは商品ジャンルによって水準が大きく違うため、目安にするのは他人の数字ではなく自分の過去のCTRとの比較です。
CVRが低い(開かれるのに買われない)なら、ページの中身で迷わせています。価格が相場から外れていないか、説明文と写真が状態を正しく伝えているか、送料や返品条件が不安を残していないかを見直します。テラピーク(使い方の記事)で同じ商品の売れた価格帯を確かめると、価格が原因かどうかは早く判断できます。
Watch数の扱い:気になっているが、まだ買わない人の数
Traffic以外にもう1つ、出品ページに表示されるWatch数(ウォッチ数)があります。これはバイヤーが「気になる」として保存した数で、Page views・CVRとセットで見ると別の情報が読めます。
Page viewsは多いのにWatch数もCVRも低いなら、写真と説明で興味自体が持てていません。Watch数は付くのにCVRが低いなら、興味は持たれているのに購入の決め手が足りていません。値下げ通知やセールで背中を押す余地があるのはこちらのパターンです。Watch数だけで満足しないのが大事で、ウォッチは「保留」であって「売上」ではありません。
- Seller Hub → Performance → Trafficで、期間比較の表示をオンにした
- 先月・前年同月の両方と比べた(季節の波を異常と誤読しない)
- Impressions・Page views・Soldのどの段差が普段より開いているかを確認した
- CTR=Page views÷Impressions、CVR=Sold÷Page viewsを計算した
- 店舗全体で違和感があれば、出品を個別に絞り込んで犯人を探した
- Impressions低下→出品数・検索順位、CTR低下→写真・タイトル・価格、CVR低下→説明文・送料・返品条件、と対策を対応させた
- Watch数はCVRとセットで見て、「保留」を「売上」と混同しなかった
まとめ:数字を読む習慣が「なんとなく不安」を消す
Trafficの4つの数字——Impressions・CTR・Page views・CVR——は、バイヤーが検索してから買うまでの道のりをそのまま映す逆三角形です。段差が普段より開いた場所が、直すべき場所そのものになります。比べるのは絶対数ではなく先月・前年同月で、全体がおかしければ出品を個別に絞り込む。この手順を持っていれば、売上が急に落ちた時も、落ち着いて場所から直せます。
数字は、毎週決まった時間に眺める程度でかまいません。異変に気づくのが早いほど、直す作業は小さく済みます。感覚で不安になる前に、数字を見に行く習慣をつけてください。