先に結論:ジャンルの名前より、選ぶ条件
結論から書きます。この記事にもジャンルの一覧は載せますが、覚えてほしいのはジャンルの名前ではなく、選ぶための条件のほうです。
理由は単純で、「売れるジャンル」と「今の自分が扱えるジャンル」は別のものだからです。カメラは確かに売れます。ただ、始めたばかりの人がいきなり扱うには、単価も、故障や返品のときの重みも大きすぎます。逆に、ランキングの上位に来ないような小物が、最初の実績づくりには一番向いていたりします。
そこでこの記事では、まず日本の商品が売れる理由を押さえ、次に定番ジャンルを強みと注意点のセットで並べ、最後に最初の10品を選ぶ条件まで落とし込みます。
- 日本の商品が売れる理由は「ここでしか手に入らない」「中古の状態が良い」「本物が届くと信頼されている」の3つ
- 定番ジャンルにはそれぞれ「ただし」が付く。強みと注意点は必ずセットで見る
- 初期の出品リミットは月10品・合計500ドル。単価の高いジャンルは、ランキング上位でも最初の選択肢に入らない
- 最初の10品は小さく軽い・壊れにくい・真贋や権利の心配がない・状態を自分の言葉で説明できる・売れた実績があるものから選ぶ
- どのジャンルでも、出品前にSoldフィルタで「実際に売れた記録」を確かめる。リストを信じて終わりにしない
なぜ日本の商品が海外で売れるのか
ジャンルの一覧に入る前に、そもそもなぜ日本の商品が海外で買われるのかを押さえておきます。ここが分かっていると、リストに載っていない商品を見たときにも「これは売れる側か」を自分で判断できるようになります。
1つめは、日本国内でしか流通していないものが多いことです。日本限定のカラーや特典、日本版のパッケージ、日本のメーカーが国内向けにだけ作った製品。住んでいる国では手に入らないから、海を越えてでも買う。これが一番大きな理由です。
2つめは、中古品の状態が良いと評価されていることです。外箱や説明書を捨てずに取っておく、使わないものも押し入れで保管しておく、という習慣は、海外のバイヤーから見ると「同じ中古でも日本から買うほうが状態が良い」という実感につながっています。
3つめは、本物が届くと信頼されていることです。人気のある商品ほど、世界の市場には模倣品が混ざります。その中で「日本のセラーから買えば本物が届く」という評価は、それだけで選ばれる理由になります。裏を返せば、この信頼はこちらが守るべきものでもあります。仕入れの段階で真贋のあやしいものを扱えば、自分の評価だけでなく、この前提そのものを削ることになります。
定番ジャンル一覧:強みと注意点をセットで
ここから定番のジャンルを並べます。大事なのは、どのジャンルにも「ただし」が付くことです。強みだけを並べたリストは、半分しか書いていないのと同じです。
カメラ・レンズ。フィルムカメラから交換レンズまで、日本の中古カメラは世界中のバイヤーが探している定番です。中古市場が厚く、状態の良い個体が多いのが強みです。ただし単価が高く、故障や返品のときに動く金額も大きくなります。合計750ドル以上の取引には配達時の署名確認が必要になり、動作状態を正確に説明する知識も要ります。売れるジャンルであることと、最初に扱うジャンルであることは別です。
トレーディングカード。ポケモンカードを筆頭に、遊戯王などの日本のカードは海外で安定した人気があります。小さく軽いので送料を抑えやすいのが強みです。ただし相場の上下が激しく、今日の価格が来月も続くとは限りません。状態の書き方ひとつで価値が変わり、人気カードほど偽物も出回るので、扱うなら相場と状態表記を学んでからです。
アニメ・ゲーム関連。フィギュア、キャラクターグッズ、レトロゲーム。日本のアニメとゲームの人気は説明するまでもなく、家の中に売れるものが眠っていることも多いジャンルです。ただし気をつけるのは仕入れ側で、海賊版・非公式品を扱わないこと、そしてメーカーの公式画像を流用しないことです。写真と説明文は自分で用意します。ここを外すとVeRO(知的財産の保護プログラム)で出品が消されます。
釣具。日本の釣具メーカーへの信頼は厚く、ルアーは小さくて軽いので初心者でも扱いやすい部類です。中古のリールは動作の説明が必要になるので、釣りをやる人向きです。
腕時計。日本ブランドの時計は世界中で探されています。ただし単価と真贋の両方で難度が高く、署名確認や保険の話も付いて回ります。これも「売れるが、最初ではない」側です。
骨董・和の工芸品。茶道具や漆器など、日本らしさそのものが価値になるジャンルです。ただしここには他のジャンルに無い落とし穴があります。べっ甲・象牙・ワニ革・珊瑚といった素材は、ワシントン条約の規制対象で、許可なく輸出できません。包丁などの刃物も、発送業者や相手国のルールを先に確かめる必要があります。詳しくは出品禁止商品の記事で書いたとおり、「日本の感覚では商品でも、外に出すときは別の基準が当たる」ものが混ざる場所です。
ランキング上位と「最初の10品」は別の話
eBayの新規アカウントには出品リミットがあり、初期は月10品・合計500ドルまでです。ここに、さきほどのジャンル一覧を当てはめてみます。
たとえば単価300ドルのカメラを1台出品すると、それだけで金額枠の6割が埋まります。2台めは出せません。残りの枠でできることは、ほとんど無くなります。つまり、ランキングで上位に来る高単価ジャンルは、枠が育つまでは物理的に選べないのです。これは腕の問題ではなく、割り算の結果です。
逆に、単価20〜50ドルの小物なら、10品の枠をまるごと使えます。10回の出品、10回の値付け、売れれば梱包と発送と評価。最初の数か月に手に入れるべきなのは大きな利益ではなく、この回数のほうです。販売の回数と評価が積み上がるとリミットアップにつながり、そこで初めて単価の高いジャンルが選択肢に入ってきます。
そして、その最初の10品にいちばん向いているのが、家にある不要品です。仕入れ代金がゼロで、在庫切れも起こりようがありません。この理屈は無在庫と有在庫の記事で数字から確かめたとおりです。
「売れている」を自分で確かめる手順
ジャンルの一覧は、あくまで当たりをつけるためのものです。実際に出品する前には、その商品が本当に売れているかを、売れた記録で確かめます。手順は3つあります。
1つめは、eBayのSoldフィルタです。検索結果を「Sold Items」で絞ると、その商品が過去90日ほどの間に実際に売れた記録と価格が見られます。出品されている数ではなく、売れた数を見るのがリサーチの基本です。詳しい見方は商品リサーチの基本にまとめてあります。
2つめは、Terapeakです。eBay公式のリサーチツールで、無料で使えます。売れた数や平均価格を、より長い期間の数字で確かめられます。使い方はTerapeakの記事に書きました。
3つめは、セラーリサーチです。同じ日本から出品しているセラーが、実際に何を売っているのかを見る方法で、「日本から売れるもの」の生きた一覧になります。やり方はセラーリサーチの記事にあります。
最後にもうひとつ。売れた価格を見つけたら、そこから手数料と送料を引き算して、手元に残る金額まで出してから仕入れを判断してください。売れることと、利益が残ることは別の話です。計算のやり方は手数料の記事で追えます。
- 日本の商品が売れる理由は「ここでしか手に入らない」「中古の状態が良い」「本物が届くと信頼されている」の3つ
- 「日本版」「日本限定」「帯や特典が残っている」は、それ自体が価値になる。説明文に書き、写真に写す
- 定番はカメラ・トレカ・アニメとゲーム・釣具・時計・骨董。ただしどのジャンルにも「ただし」が付く
- アニメ・ゲーム関連は海賊版を仕入れない・公式画像を使わない。骨董は素材の規制を必ず確かめる
- 初期リミットは月10品・合計500ドル。単価300ドルのカメラ1台で枠の6割が埋まる
- 最初の数か月で作るべきなのは利益ではなく回数と評価と枠。手頃な10品を並べるほうを選ぶ
- 最初の10品の条件は小さく軽い・壊れにくい・真贋や権利の心配がない・状態を説明できる・売れた実績がある
- 出品前には必ずSoldフィルタ・Terapeak・セラーリサーチで「売れた記録」を確かめ、手数料と送料を引いた残りまで計算する
リストは古くなる。確かめ方は古くならない
最後に、この記事の一覧そのものについて書いておきます。ジャンルのリストは、時間がたつと必ず古くなります。相場は動き、流行は移り、規制も変わります。今日「売れる」と書いたものが、1年後も同じ順位でいる保証はどこにもありません。
だからこそ、覚えておいてほしいのは一覧の中身よりも、売れる理由の3つと、確かめる手順のほうです。日本でしか手に入らないか。状態の良さを示せるか。本物だと言い切れるか。そして、実際に売れた記録があるか。この見方さえ持っていれば、リストが古くなっても、自分で次の一覧を作れます。
そして最初の一歩は、遠くにありません。家の中の不要品を5つの条件に当てはめて、通るものから出してみてください。それが、この記事でいちばん実行しやすい「売れるもの」です。