先に結論:まず選ぶのはCPaSSの中の3つ。重さ・金額・急ぎ度で決める
結論から書きます。配送業者選びで最初に立てる問いは「CPaSSかFedExかDHLか」ではありません。CPaSSは配送会社ではなく、eBayが用意している窓口のプラットフォームです。その窓口の中で「SpeedPAK Economy」「DHL経由」「FedEx経由」の3つを選べる仕組みになっています。だから最初にやることは、この3つのうちどれを選ぶかを、重さ・金額・急ぎ度で決めることです。
個別のFedEx・DHL契約や日本郵便は、量が増えたり特殊な事情が出てきたりしてから比較検討する選択肢で、最初から必要になることはほとんどありません。CPaSSのSpeedPAK追跡番号(EX・EM・EEで始まる番号)で発送していれば、未着(INR)に関連するDefectやフィードバックが自動的に守られるセラー保護の対象にもなります。これも、個別契約より先にCPaSSの中から選ぶ理由のひとつです。そしてもうひとつ大事なのが、$750の署名確認と$2,500のDDPという2つの金額の壁です。この壁を越える注文かどうかで、選べる送り方そのものが変わります。
- まず選ぶのはCPaSSの中の3つ(Economy/DHL経由/FedEx経由)。個別契約や日本郵便は量が増えてから検討する
- 軽量・低単価・急がないならSpeedPAK Economy。重い・かさばる・高額・急ぎ・追跡精度が要るならDHL経由かFedEx経由
- 合計$750以上は署名確認が必須。商品代金だけでなく送料・税込みの合計で判定される
- 米国向け・$2,500未満はDDPが必須。CPaSS経由は標準で対応している
- SpeedPAK追跡番号での発送は、未着(INR)のDefectや関連フィードバックが自動的に守られるセラー保護の対象になる。個別契約や日本郵便にはこの保護がない
- 追跡有効率95%が目安。月20件発送するなら、無効な追跡番号は1件までしか許されない
- 正確な料金は変わるので、毎回ダッシュボードの見積もりを比較する習慣をつける
CPaSSはeBayが用意した窓口で、その中に3つの送り方がある
CPaSS(Cross-border Parcel Shipping Solution)は、eBayが用意している配送プラットフォームで、利用そのものは無料です。無料なのはプラットフォームの利用料であって、実際の配送費はもちろん別にかかります。日本のセラーがCPaSSの中で使える送り方は次の3つです。
- SpeedPAK Economy:アカウント登録不要。軽量・低単価向けで、3つの中では最安になりやすい
- SpeedPAK - DHL経由:アカウント登録不要。欧州・東南アジア向けに強い
- SpeedPAK - FedEx経由:FedExアカウントが必要。米国向けが速く、追跡の更新が細かい
これとは別に、日本郵便も選択肢としてあります。米国向けは2025年8月末から一時停止していましたが、2026年4月に関税の事前支払いを条件に一部再開しました。米国以外の国向けは引き続き利用できます。
料金表そのものは、CPaSSにアカウント登録して認証を済ませたセラーポータルの中でしか確認できません。相場は時期によって変わるため、この記事では固定の金額を載せず、「何を基準に選ぶか」を軸に説明します。発送のたびに、その時点のダッシュボードで見積もりを取るのが確実です。
郵便・CPaSS Economyが向いているのは、軽くて急がない商品
SpeedPAK Economyや日本郵便が候補になるのは、軽量で、単価が高すぎず、バイヤーも急いでいない商品の場合です。小さなアクセサリー、薄型のトレーディングカード、軽い衣類などは、たいていこの範囲に収まります。速さよりコストを優先したい注文で、まず検討する送り方です。
気をつけたいのは、「安いから」という理由だけで選ばないことです。追跡の更新頻度は、クーリエ(FedEx・DHL)に比べて粗くなりがちです。配達完了までは確認できても、途中の経過が少ないぶん、バイヤーからの問い合わせが増えたり、未着トラブルが起きたときに状況を説明しづらかったりすることがあります。金額が小さく、万が一のトラブルの影響も小さい商品であれば、この特性は許容範囲に収まります。
- 軽量で、送料が利益を大きく圧迫しない商品
- 単価が$750の署名確認ラインに近づかない商品
- バイヤーが配達の速さより価格を重視するカテゴリー
- 万が一の未着トラブルでも、損失額が大きくならない商品
クーリエ(FedEx・DHL経由)が必要になる理由は、重さ・スピード・追跡精度の3つ
クーリエが必要になる場面は、大きく3つに整理できます。
1つめは、重さとサイズです。多くの国際クーリエでは、実際の重さだけでなく、荷物の大きさから計算する「容積重量」という考え方が使われます。目安の計算式は(縦cm×横cm×高さcm)÷5000で、実重量とこの容積重量を比べて、大きい方が運賃の基準になります。正確な計算式は使う配送方法によって多少違うので、契約先の規定を必ず確認してください。実重量は軽くても、箱が大きければ容積重量で高くつくことがある、という点だけは覚えておく価値があります。
2つめは、配送スピードです。バイヤーへの配達予定日(EDD)を短く示せるかどうかは、購入率にも関わってきます。急ぎの取引や、配達日を気にするバイヤーが多いカテゴリーでは、クーリエの速さが効いてきます。
3つめは、追跡の精度です。クーリエは集荷から通関、配達までの状況が細かく更新されるため、売れた後の追跡アップロードの場面で、未着の申し立てに強い記録を残しやすくなります。高額品や、過去にトラブルが起きやすかった国向けの発送では、この差が実際の損失を左右します。
梱包資材の入手方法は別記事にまとめてあるので、クーリエでの発送量が増えてきたら合わせて確認してください。
$750の署名確認から追跡・セラー保護まで、基準を自分の注文の数字に当てはめる
ここまでの重さ・スピードの話に加えて、金額の壁を自分の注文に置き換えておくと、迷う場面がぐっと減ります。
1つめは$750の署名確認ラインです。合計が$750に達すると、届いたことだけでなく、受け取った本人の記録まで残す義務が発生します。たとえば商品$680+送料$90=合計$770の注文は、商品単体では$750未満でも、合計で基準を超えます。詳しい国別基準(米加豪は$750、英国は£450など)と、FedEx・DHLそれぞれでの付け方は署名確認の記事にまとめてあります。
2つめは$2,500のDDPラインです。米国向けは2025年10月17日から、$2,500未満の注文でDDP(関税を先に立て替えて送る方式)が必須になりました。$2,000のカメラ1台の注文はDDP必須の対象ですが、$3,000のアンティーク家具ならDDU(関税をバイヤーが後払いする方式)を選ぶ余地が生まれます。CPaSS経由の送り方は、この$2,500未満のDDPに標準で対応しています。制度の背景と地域ごとの違いはDDPとDDUの記事で整理しています。
3つめは追跡有効率95%という、セラーレベルの指標です。配送業者の選び方そのものではなく、eBayにアップロードした追跡番号のうち、有効だった割合を指します。目安で言うと、月20件発送した場合、無効な追跡番号が1件までなら95%を保てますが、2件になると90%まで下がり基準を割り込みます。SpeedPAKの追跡番号(EX・EM・EEで始まる番号)は自動でアップロードされる仕組みになっているため、この条件を自然に満たしやすくなります。追跡番号は手入力しないのが安全な理由も、ここにつながっています。
4つめは、SpeedPAK発送によるセラー保護です。条件を満たしていれば、「商品未着(INR)」で付与されたDefectと関連するネガティブ・ニュートラルフィードバックが自動的に削除され、Service Metricsの対象取引数からも除外されます。適用条件は①発送元が日本国内であること ②設定したハンドリングタイム内に発送していること ③EX・EM・EEで始まるSpeedPAK追跡番号をアップロードしていることの3つで、毎週自動的に適用されます。ただしこれは、返金の要否そのものを免除するものではありません。返金の判断は「追跡が配達完了を示しているか」という一般ルールで決まり、この保護はあくまでDefectやフィードバックといったアカウントの健全性を守る追加の保護です。個別のFedEx・DHL契約や日本郵便での発送は、この保護の対象外になります。
郵便・Economyとクーリエを、追跡・DDP対応・スピード・向いている商品で比べる
ここまでの内容を、固定の料金表ではなく4つの決定基準としてまとめます。料金は時期や重さ・サイズ・配送先によって毎回変わるため、この記事では金額の比較表は作りません。代わりに、何を優先したいときにどちらを選ぶかを並べます。
結論を先に言うと、郵便・CPaSS Economyとクーリエ(FedEx・DHL経由)のどちらかが常に正しいわけではありません。商品の重さ・金額・急ぎ度によって、正解は入れ替わります。
- CPaSSの料金表は、アカウント認証後のダッシュボードでのみ確認できます。この記事に固定の金額を載せないのはそのためです
- 個別のFedEx・DHL契約は、量が多いセラーなら安くなることもありますが、通関手数料などCPaSSには無い費用が上乗せされる場合があります。契約前に条件を確認してください
- 同じ荷物でも、重さ・サイズ・配送先・時期によって最適な送り方は変わります。「前回これで安かった」を毎回の答えにしない
まとめ:安さより「守れる条件」で選ぶ
配送業者選びは、eBayの「届ける」フェーズでいちばん最初にぶつかる判断です。まずCPaSSの中で選び、金額の壁を数字で確かめ、量が増えたら個別契約を比較する。この順番を持っておけば、名前の多さに振り回されることはなくなります。
次の記事では、発送そのものと並んで大事な梱包の基本について、壊れない・コストを抑える・速く処理する3つのコツをお話しします。
- 重さ・サイズ・急ぎ度から、CPaSSの中のどれ(Economy/DHL経由/FedEx経由)を使うか決めた
- 注文の合計(商品代金+送料+税)が$750に近づいていないか確認した
- 米国向けなら$2,500未満はDDP必須であることを踏まえて送り方を選んだ
- その時点のダッシュボードで見積もりを確認してから発送した(前回の金額をそのまま信じない)