— 2026年8月29日、CPaSSの発送ラベル画面を確認しながら —
おかあさんおとうさん、このバイヤーさんの住所、上から見ると日本の住所とは逆の順番に並んでいる気がするけれど、これで合っているの?
おかあさん
おとうさん
おとうさんその感覚、合ってるよ。海外の住所は日本と並び順が逆で、名前や部屋番号のようなせまい範囲から書き始めて、最後に国名にたどり着くんだ。今日は海外住所の読み方と書き方を整理しよう。

先に結論:海外の住所は日本と逆順で、名前が最初・国名が最後

— この記事の全体像

結論から言うと、海外の住所は「名前→部屋番号・建物名→番地・通り名→市→州・郵便番号→国名」の順に、せまい範囲から広い範囲へと並びます。日本の住所が「郵便番号→都道府県→市区町村→番地→名前」と広い範囲から書き始めるのと、ちょうど逆です。この順番さえ覚えておけば、初めて見る国の住所でも「今読んでいるのはどの階層の情報か」を見失わずに済みます。

— Answer
この記事の結論
  • 海外の住所は「名前→部屋番号→番地・通り名→市→州・郵便番号→国名」の順(日本の「都道府県→市区町村→番地」と逆)
  • eBayの配送ラベルは基本的に注文情報から表示されるが、印刷前に「住所が正しいか」を確認する項目がある(eBay公式ヘルプ)。読み方を知らないと、この確認ができない
  • 州の2文字略称は「州」を表す記号で、国名の略称とは別物。CAはカリフォルニア州であって、カナダ(Canada)ではない
  • eBayでは「注文詳細に記載された住所どおりに発送する」ことがセラー保護の条件(eBay Money Back Guarantee Policy)。誤字らしきものを見つけても、自分の判断で書き換えない
  • 私書箱(PO Box)は、DHL・FedExなどの国際クーリエでは配達できない場合がある(DHL公式)

eBayが自動でやってくれるのに、なぜ読み方を覚える必要があるのか

— 「全部自動でしょう?」への答え

CPaSS(SpeedPAK)や大手クーリエと連携した発送では、配送先住所はCPaSSの画面に注文情報からそのまま表示されるので、住所を1からタイピングして入力する場面は多くありません。それでも読み方を知っておく必要があるのは、次の3つの場面があるからです。

①ラベル発行前の確認。eBay公式ヘルプは、配送ラベルを作成する際に「すべての住所が正しいこと(All addresses are correct)」を確認するようセラーに求めています。表示された住所がどの部分を指しているか読めなければ、この確認は名目だけになってしまいます。②手書きが必要な場面。後述するとおり、書留の窓口申込書や税関告知書など、今でも手で書き写す機会は残っています。③トラブル対応の場面。不在配達・宛先不明で荷物が戻ってきたときや、バイヤーから「住所が違う」と連絡が来たときに、どこがどう違うのかを正しく理解できないと、対応の判断ができません。

おかあさん読めなくても、表示されているものをそのままラベルにすれば問題ないんじゃないの?
おかあさん
おとうさん
おとうさん普段はそれでいい。ただ、まれに部屋番号が欠けていたり、コピー時に数字が化けていたりすることがあって、そういうときに「あれ、これで合っているのかな」と気づけるかどうかが読み方を知っているかどうかの差になるんだ。気づいたときの対応は後の章で話すよ。

なぜ日本と海外で住所の並び順が逆になるのか

— 逆になるのは、書き始める場所が違うから

日本の住所は、封筒に書くときも「郵便番号→都道府県→市区町村→番地→建物名・部屋番号→名前」の順で、広い範囲から始めてだんだん個人に近づいていきます。これに対して、英語圏を中心とした海外の住所は「名前→部屋番号・建物名→番地・通り名→市→州・郵便番号→国名」の順で、名前という一番せまい範囲から始めて、最後に国という一番広い範囲にたどり着きます。どちらが正しいというものではなく、単に方向が逆なだけです。

この「国名を最後に、大文字で書く」という原則は、UPU(万国郵便連合=世界の郵便事業を調整する国連の専門機関)が定める国際住所標準(S42)にも明記されています。日本郵便が国際郵便の差出人住所の書き方として案内している「名前→建物名・部屋番号→番地・丁目→市区町村・都道府県→郵便番号・国名」という5段の順番も、この考え方に沿っています。

日本の住所と海外の住所の並び順を比較した図解。日本は郵便番号・都道府県・市区町村・番地・建物名・部屋番号・名前の順で、広い範囲から狭い範囲へ進む。米国など海外は名前・部屋番号・番地と通り名・市・州と郵便番号・国名の順で、狭い範囲から広い範囲へ進む、日本と逆の並び順になる
図:住所の並び順は、日本と海外で向きが逆になる

米国の住所を読む:番地・通り名・部屋番号・州の略称

— USPS公式の書式にもとづく基本の型

eBayの取引相手として最も多いのが米国のバイヤーです。USPS(米国郵便公社)公式の住所表記標準(Publication 28)によると、米国の住所は次の3行で構成されます。

1行目:受取人の名前。2行目:番地+通り名+(あれば)部屋番号。「123 Main Street」のように、番地の数字が通りの名前より先に来ます。アパートやマンションの部屋番号は「Apt 4B」「#4B」のように末尾に付き、この番号が抜けると同じ建物の別の部屋に配達されてしまう原因になります。3行目:市名、州の2文字略称、郵便番号(ZIPコード)。「Springfield, IL 62704」のように、コンマの後に州の略称と郵便番号が続きます。郵便番号のあとに「-1234」のような4桁が付く場合(ZIP+4)もありますが、無くても基本的な配達には支障ありません。

— 注意
州の2文字略称は「州」の記号。国名の略称ではない

州の略称は50州それぞれに割り当てられた記号で、「CA」はカリフォルニア州、「NY」はニューヨーク州を指します。似た2文字の並びから「CA=Canada(カナダ)」のように国名と読み違えるケースがありますが、米国の住所欄に出てくる2文字はほぼ必ず州の略称です。国名は別行(最終行)に「UNITED STATES」のようにフルスペルで書かれます。

おかあさん「CA」と書いてあったら、カナダ宛の間違いかと思って手が止まりそうだけれど、それは早とちりということ?
おかあさん
おとうさん
おとうさんそのとおり。州の略称は、市名の直後・郵便番号の直前という決まった位置に出てくるから、位置で見分けるのが確実だよ。国名がどこにも書かれていない場合は、注文情報の配送先国を別途確認すればいい。

米国以外の住所も並び順が国ごとに違う

— 「せまい→広い」の中でも、国ごとにさらに細かい違いがある

「せまい範囲から広い範囲へ」という大枠は共通していても、国ごとの細部は一様ではありません。UPUの国際住所標準(S42)が示す例では、英国は「27 John Street」のように番地が通り名より先に来る一方、ドイツは「Wacholderweg 52a」のように通り名が番地より先に来ます。米国・英国・オーストラリアは番地が先、ドイツは通り名が先、という違いです。郵便番号の位置も、英国は郵便番号だけの行が住所の最後に独立して置かれ、ドイツは郵便番号が市区町村名の直前に来る、というように国ごとに変わります。

私書箱(PO Box)宛の発送についても注意が必要です。DHL公式サイトは「Shipments cannot be delivered to PO boxes.(私書箱には配達できません)」と明記しており、SpeedPAKのShip via DHL・Ship via FedExのようなクーリエ経由の発送では、私書箱宛の住所そのものが配達できない可能性があります。この場合は国際配送の使い分けで説明した、日本郵便の国際郵便を使う選択肢を検討することになります。

国ごとの住所の並び順の違いを比較した図解。米国は番地が通り名より先、州の略称と郵便番号が同じ行。英国は番地が通り名より先、郵便番号だけの行が最後にある。ドイツは通り名が番地より先で米国と逆、郵便番号が市区町村より先の行にある。オーストラリアは米国とほぼ同じ並びで、州の略称と郵便番号が同じ行にある。どの国でも共通するのは、国名を最終行に大文字で書くという万国郵便連合の原則
図:番地と通り名の順番、郵便番号の位置は国ごとに違う
おかあさん — おかあさんのひとこと 国が変わるだけでこんなに順番が違うとは思っていませんでした。「せまい範囲から広い範囲へ」という大きな向きさえ覚えておけば、細部が国ごとに違っても慌てずに読めそうだと感じました。

手書きが必要になる場面と、差出人住所の書き方

— 今でも手で書く場面は残っている

CPaSSやクーリエと連携した発送では、宛先住所はシステム上に表示されたものをそのまま使えます。それでも、書留(印刷物のみ対応)を郵便局の窓口で申し込むときの申込書や、税関告知書(CN22・CN23)を手書きで用意する場面では、宛先住所を自分の手で書き写す必要があります。この記事で説明した「せまい範囲→広い範囲」の順番どおりに、表示されている情報を上から書き写せば問題ありません。

逆に、差出人(自分)の住所を英語表記で書く場面もあります。日本郵便公式サイトは、国際郵便の差出人住所を次の5段で書くよう案内しています。①名前(From+氏名)②建物名・部屋番号(あれば)③番地・丁目④市区町村・都道府県⑤郵便番号・国名(JAPAN)。日本の住所を、そのまま海外向けの並び順に組み替える形になります。

差出人住所(自分の住所)を英語で書く例
  • 1行目:氏名(例:Taro Ogata)
  • 2行目:建物名・部屋番号(あれば。例:Green Heights 203)
  • 3行目:番地・丁目(例:1-2-3 Sakura-cho)
  • 4行目:市区町村・都道府県(例:Chiyoda-ku, Tokyo)
  • 5行目:郵便番号・国名(例:100-0001, JAPAN)

住所を自分で「直して」はいけない理由

— 読み違えに気づいたときの、正しい対応

住所を読めるようになると、逆に「この部屋番号、抜けているのでは」「この綴り、変じゃないか」と気づく場面も出てきます。ここで大事なのは、気づいても自分の判断でその場で書き換えないことです。eBay公式のMoney Back Guaranteeポリシーは、セラー保護の条件として「Sellers are required to deliver the item to the address in the Order details.(セラーは、注文詳細に記載された住所へ商品を届ける必要がある)」と明記しています。つまり発送先として保護されるのは、あくまで注文詳細に記載された住所どおりに送った場合で、良かれと思って自己判断で修正した住所に送ってしまうと、この条件から外れるおそれがあります。

バイヤーからの購入後の住所変更についても、eBay公式ヘルプ「Changing your shipping details after a purchase」は、バイヤーがセラーに直接連絡して変更を依頼する形を案内しており、発送済みの荷物は変更できないと明記しています。つまり、住所の誤りに気づいたときにセラーがすべきことは、自分で書き換えることではなく、発送前ならメッセージでバイヤーに確認を取ること、発送後ならその住所へ届けたという事実を保護の根拠として残しておくことです。

— 注意
「読み違いに気づく」ことと「勝手に直す」ことは別物

読み方を覚える目的は、誤りらしきものに気づけるようになることであって、その場で修正する権限を持つことではありません。気になる箇所があれば、発送前にバイヤーへメッセージで確認するのが基本の流れです。

おかあさん親切のつもりで直してしまいそうだけれど、それがかえって危ないということ?
おかあさん
おとうさん
おとうさんそのとおり。良かれと思ってやったことでも、注文詳細と違う住所に送った扱いになってしまう。読み方を覚えるのは、直すためじゃなくて、気づいて確認するためだと思っておくといいよ。

発送前に確認したい5つのこと

海外住所 発送前のチェックリスト
  • 部屋番号・建物名(Apt / Unit / #)が住所に含まれているか確認した
  • 番地と通り名の順番が国ごとの並びと一致しているか、表示されたとおりに読めている
  • 州・地域の略称を国名と読み違えていない(例:CA=カリフォルニア州)
  • 私書箱(PO Box)宛でないか確認し、該当する場合はクーリエではなく日本郵便の国際郵便を検討した
  • 読み違いに気づいた場合は、自分で直さずバイヤーへ発送前に確認した

まとめ:正しく読めれば、書き方は怖くない

— 結びに

海外の住所は、日本と並び順が逆というだけで、構成する要素そのものは名前・住所・地域・郵便番号・国名と、日本の住所とそう変わりません。「せまい範囲から広い範囲へ」という大きな向きを覚え、番地と通り名の順番・州の略称の位置といった国ごとの細部を知っておけば、初めて見る国の住所でも読み違えずに済みます。

eBayの発送そのものはCPaSSやクーリエとの連携で自動化が進んでいますが、最終的に「この住所で合っているか」を判断するのはセラー自身です。読み違いに気づいたときは自分で直さず、発送前ならバイヤーに確認する。この一手間が、未着や誤配のトラブルを未然に防ぎます。

この記事の要点
  • 海外の住所は「名前→部屋番号→番地・通り名→市→州・郵便番号→国名」の順(日本の逆)
  • 米国の住所は番地が通り名より先、州の略称は「州」を表す記号で国名の略称ではない
  • 番地と通り名の順番・郵便番号の位置は国ごとに違う(ドイツは通り名が番地より先)
  • 私書箱(PO Box)はDHL・FedExなどのクーリエでは配達できない場合がある
  • 読み違いに気づいても自分で書き換えず、発送前にバイヤーへ確認する(eBayの保護は注文詳細どおりの住所への発送が条件)
おかあさんわたしが出品していたころも海外へ荷物を送っていたはずなのに、住所の並び順をこんなふうに意識して読んだことは無かった。今日聞いて、逆から読むものだと分かって、少し安心した。
おかあさん
おとうさん
おとうさんまとめよう。海外の住所は「せまい範囲→広い範囲」の順で読めば、初めての国でも迷わない。州の略称の読み違えや私書箱の扱いのような落とし穴はあるけれど、今日話した順番さえ押さえておけば、確認すべき箇所を見失うことはなくなるはずだよ。
おかあさん — おかあさんのひとこと 住所ひとつでも、国によってこんなに考え方が違うのだと知りました。逆から読む、と決めてしまえば、難しく感じていたものが急に身近に思えてきます。