先に結論:出先でできること、パソコンが要ること
本業がある方にとって、eBayに向き合える時間はどうしても限られます。通勤・昼休み・仕入れ先の移動時間のような細切れの時間をどこまで作業にあてられるかが、副業として続けられるかの分かれ目になります。eBay公式アプリは、この細切れの時間の使い道を広げてくれる道具ですが、「これさえあればパソコンは要らない」という話ではありません。この記事では、eBayヘルプセンターの公式情報をもとに、アプリでできることと、その精度の限界、パソコンに戻った方が効率がよい作業を整理します。
- 出先でその場に売却相場を調べられるが、Product Research(旧Terapeak)はアプリのメニューに見当たらないアカウント・バージョンがあり、その場合はブラウザで「PC版サイトを表示」に切り替えて使う
- 写真撮影やバーコード検索から出品を始められるが、バーコードの無い商品やデータベースに一致しない商品では手入力が必要になり、精度には限界がある
- 通知・メッセージへの返信はスキマ時間で完結しやすい作業。返信期限があるやり取りとの相性がよい
- Business Policiesの初期設定や長い説明文の推敲など、画面が広い方が進めやすい作業はパソコンに向いている(アプリで技術的にできないと公式に明記されているわけではなく、あくまで効率の違い)
eBayアプリでできることの全体像
eBay公式ヘルプの「Selling with the eBay app」には、アプリでできる出品者向けの操作として、出品の作成・編集・状況確認、商品のバーコードをスキャンして商品情報を自動入力すること、写真を撮ってそのまま出品に追加すること、出品の再出品(relist)、配送業者から発行された追跡番号をその場で取引情報に入力すること、受け取る通知の種類を選べること、が挙げられています。
つまりアプリは「出品状況を確認するだけの見るためのツール」ではなく、実際に出品・発送・バイヤー対応まで進められる作りになっています。ただし、それぞれの機能には得意・不得意があります。次から順に見ていきます。
出先で相場を調べる:見当たらないときはブラウザを使う
Product Research(旧Terapeak)は、これまでパソコンのSeller Hubから使うのが基本でした。eBayコミュニティの公式アナウンス「Product Research(旧Terapeak)is now on mobile」では、アプリ下部の「Selling」タブを開いて画面を下にスクロールすると「Product Research」のバナーがあり、そこから使えると案内されています。
ただし、実際に日本語表示のeBayアプリで確認したところ、このバナーは見当たりませんでした。下は「出品」タブ(英語表示のSellingタブにあたる)を開いた実際の画面です。案内されているようなProduct Researchのバナーは無く、出品を始めるための説明が並ぶだけになっています。
展開の状況やアプリのバージョン、表示言語によって差があると考えられるため、「アプリを開けば必ず使える」とは言い切れません。まず自分のアプリで探してみて、見当たらなければ次のブラウザの方法に切り替えるのが早道です。
アプリにProduct Researchのバナーが見当たらない場合や、表示されていても画面が小さい分だけ絞り込み項目が見づらかったり更新のたびに表示が変わったりして使いにくいと感じる場合は、アプリの中を探し回る必要はありません。実際にeBayコミュニティのフォーラムには、アプリの更新後に検索・絞り込み画面の項目が減った、分かりにくくなったという投稿もあります。
この場合、スマホのブラウザ(Safari・Chromeなど)に用意されている「PC版サイトを表示(Request Desktop Site)」という設定に切り替えると、スマホ向けの簡易表示ではなく、パソコンと同じeBay本来のサイトが開き、Seller HubのProduct Researchをそのままブラウザから使えます。eBayコミュニティには、eBayのカスタマーサポート自身がこの方法を案内した例も報告されています。ただし表示の切り替わり方は端末・OS・ブラウザのバージョンによって多少差があり、eBay側が用意している「Classic View」への切り替えリンクは不安定という報告もあるため、毎回必ず同じ手順で開けるとは言い切れません。うまくいかないときはパソコンを使うのが確実です。
検索はキーワードのほか、UPC・MPN・ISBNといった型番・規格番号でも行え、直近3年分の売却データから実売価格・平均売却価格・価格帯・価格トレンドのグラフを確認できます。検索結果を絞り込んだり並べ替えたりでき、気に入った商品が見つかれば、その売却データをもとに新規出品の下書きを始められる「Sell one like this」という機能もあります。これらの検索機能自体は、アプリでもブラウザ版でも共通です。
- Product Researchの検索はキーワード・UPC・MPN・ISBNに対応しています。日本の中古品・アンティーク・手作り品はバーコード自体が無い、またはUPC系のデータベースに一致しないことが少なくありません
- バーコードが読み取れない、または一致しない場合でも、ブランド名・型番・商品名をキーワードで検索すれば同じデータにたどり着けることが多いため、うまく読み取れないからと諦めずキーワード検索も試す
写真とバーコード検索で出品を始める:実力と限界
アプリでは商品を撮影してそのまま出品に追加でき、対応する商品ではバーコードをスキャンして商品情報を自動入力できます。さらにトレーディングカード類については、公式ヘルプの「Scan to list」という専用ツールが用意されており、カメラでカードをスキャンして候補と自動照合する仕組みです。このツールはパソコンやモバイルブラウザには対応しておらず、アプリ限定の機能だと明記されています。
ただし「Scan to list」の説明にも「出品内容の詳細に責任を持つのは出品者自身」という注記があります。自動で候補が出てきても、状態・付属品・キズの有無といった、写真とバーコードだけでは伝わらない情報は自分で確認して書き加える必要があります。
- アプリでの撮影自体は問題ありませんが、生成AIを使って「自動できれいに」「傷を消す」といった加工を加える場合は、実物に無い見た目を作ってしまうリスクがあります
- この点はChatGPT活用術の写真加工の注意点で詳しく扱っているので、あわせて確認してください
通知とメッセージ対応をスキマ時間に済ませる
アプリの通知設定では、受け取りたい通知の種類を選べます。バイヤーからの質問やオファーへの返信は、Best Offer(値下げ交渉)の96時間ルールのように期限があるものも含まれるため、通勤時間や休憩時間に通知を確認してすぐ返信できるのは、パソコンの前に座る時間を待たずに済む分だけ有利です。発送後は、配送業者から受け取った追跡番号を、その場でeBayの取引情報に入力することもできます。
アプリだけでは完結しない作業:パソコンに戻ってやること
ここまで見てきたとおり、アプリでできることは年々広がっています。一方で、公式ヘルプにも「アプリでは技術的に不可能」と明記されている作業は見当たりませんでした。それでも実務上は、次のような作業はパソコンの大きな画面とキーボードで進める方が効率的です。
- Business Policies(配送・返品・支払いポリシー)の初期設定や見直し
- 長い商品説明文の推敲、複数商品の一括編集
- 関税分類(HSコード)の調べ物など、複数のページを見比べながら進める作業
- Trafficレポートなど、数字を細かく見比べて分析する作業
これは「アプリでは不可能」という意味ではなく、画面の広さ・入力のしやすさから、パソコンの方が作業効率がよいという目安です。
- アプリの「Selling」タブにProduct Researchのバナーがあるか確認したか(無いアカウント・バージョンもある)
- バナーが見当たらない・使いにくいと感じたら、ブラウザの「PC版サイトを表示」への切り替えを試したか
- 仕入れ先で、キーワード検索とバーコード検索の両方を試してみたか
- バーコードやAIが自動入力した内容を、状態・付属品まで含めて自分の目で確認しているか
- 通知設定で、返信期限のあるやり取り(オファー・質問)を見逃さない設定になっているか
- Business Policiesの設定や長い説明文の見直しは、パソコンの時間にまとめて進めているか