— ある日の岐阜の仕事場、夕方 —
おかあさんおとうさん、「Return request」っていうメールが来たら、やっぱりドキッとするよね。わたしも現役のとき、最初の返品はかなり慌てた記憶がある……。
おかあさん
おとうさん
おとうさん分かるよ。でも先に結論を言うと、返品対応は「3営業日以内に、3つの選択肢から選ぶだけ」のシンプルなゲームなんだ。ルールさえ知っていれば怖くない。今日はその型を渡すね。

全体フロー:届いてから返金までの流れ

— まず地図を頭に入れる

バイヤーが返品したいとき、eBay上でリターンリクエスト(Return request)を開きます。セラーはこれに対して3営業日以内に対応を選ぶ必要があります。ここで放置してしまうと、eBayが介入(ステップイン)して強制返金+セラーにディフェクト(ペナルティ記録)という最悪の結果になります。

つまり返品対応の勝敗は、「早く・冷静に・損の少ない選択肢を選べるか」で決まります。

リターンリクエスト対応フロー:3営業日以内に返品受入・全額返金・一部返金から選び、返品受領後2営業日以内に返金
図:リターンリクエスト対応の全体フロー。期限は「対応選択3営業日」「受領後返金2営業日」の2つ

最初に見るのは「返品理由」:INADか、バイヤー都合か

おとうさん
おとうさんリクエストが来たら、対応を選ぶ前に必ず「返品理由」を確認する。大きく分けて2種類あって、どちらかで返送料を誰が払うかが変わるんだ。
— 2 Types
返品理由の2大分類
  • ① Item Not As Described(INAD=説明と違う):「壊れていた」「説明と違う」「動かない」など。返品ポリシーを「返品不可」にしていても受け入れ義務があり、返送料はセラー負担
  • ② バイヤー都合(Remorse):「思っていたのと違った」「気が変わった」など。セラーの返品ポリシーに従い、返送料は原則バイヤー負担にできる
おかあさんなるほど、同じ「返品したい」でも中身が全然違うんだね。INADって言われたら、こっちに非がなくても受けなきゃいけないの?
おかあさん
おとうさん
おとうさん基本はそう。だからこそ、商品説明と写真で状態を正直に・詳細に伝えておくことが最大の返品予防になる。ここは日頃の出品の丁寧さがそのまま結果に表れるところだよ。

3つの選択肢と、選び方の基準

— 感情ではなく、数字で選ぶ

対応の選択肢は大きく3つ。判断基準は「どれが一番損が少ないか」です。

  • ① 返品を受け入れる(Accept the return):商品を返してもらい、受領後に返金。商品に再販価値がある場合の基本形。国際返送の手配が必要で、INADなら返送料はセラー持ち
  • ② 返品なしで全額返金(Refund without return):低単価商品で往復送料のほうが高くつく場合の合理的な選択。「商品はそのままでOK、全額返金します」で早期解決
  • ③ 一部返金を提案(Partial refund):「そのまま使っていただき、◯%返金でどうでしょう」という交渉。バイヤー都合や軽微な不満のときに有効。使用済み・破損して戻ってきた場合の減額基準は5〜50%が目安

特に海外輸出では返送料が高額になるため、「①が正義」とは限りません。商品代金・往復送料・再販価値・ディフェクトのリスクを並べて、合計の損失が最小になる道を選びましょう。

おかあさん — おかあさんのひとこと 「返してもらわずに返金」って、最初は損した気分になるんだよね。でも往復の送料を計算したら、返してもらうほうが高くつくことも多くて。そう気づいてからは、返品も「経費の計算問題」として落ち着いて見られるようになったな。

返金の期限とお金の流れ

返金まわりで守るべき数字
  • 対応の選択:リクエストから3営業日以内
  • 返金の実行:返品商品の受領後2営業日以内。過ぎるとeBayによる自動返金の対象に
  • 返金処理がバイヤーに届くまで:通常3〜5営業日(支払い方法によって前後)
  • 返金分のFVF(落札手数料)は、条件を満たせばクレジットとして戻ってくる
おとうさん
おとうさんそれと、戻ってきた商品は開封の様子を写真か動画で記録しておくこと。明らかに使い込まれていたり破損していたら、状態に応じた一部返金(減額)で対抗できるし、悪質なケースはバイヤーの通報(Report buyer)という手段もあるからね。
▶ 動画でも:オガタが実際に経験した返品・クレームの失敗談。リアルなケースで学びたい方はこちら

返品は「事業のコスト」。恐れず、型で返す

おかあさんこうして整理すると、返品って「事件」じゃなくて、ちゃんと手順のある「業務」なんだね。
おかあさん
おとうさん
おとうさんそういうこと。どんなに丁寧なセラーでも、販売数が増えれば返品は一定確率で必ず起きる。だから「起きたらこの型で返す」と決めておく。それだけで、返品はメンタルを削る事件から、淡々と処理する業務に変わるんだ。
— 結びに

返品対応の型は、「理由を見る → 3営業日以内に損の少ない選択肢を選ぶ → 受領後2営業日以内に返金」。これだけです。放置だけが唯一の悪手だと覚えてください。

なお、そもそもの返品ポリシー(返品可否・期間・返送料負担)の設定は「Business Policiesの設定方法」で解説しています。守りの設定と対応の型はセットです。

あわせて、支払い側のトラブルである「Payment Disputeの対応」、取引前の中止である「キャンセル対応の3パターン」も読んでおくと、トラブル対応の全体像がつながります。